〈あらすじ〉
北の離島の港町。漁港で働く登美子(田中裕子)の夫が、忽然と姿を消してから30年が経つ。いなくなった理由も、生きているのか死んでいるのかもわからないまま、夫との幸せな思い出に浸りながら、その帰宅を待ち続ける登美子。漁師の春男(ダンカン)から想いを寄せられ、周囲からも春男との再婚を勧められるが、頑として受け入れようとしない。
そんな中、登美子は、2年前に失踪した夫を探しているという奈美(尾野真千子)と出会う。彼女が自分を愛してくれる人と新たな人生を始める決意をしたとき、登美子は、街で奈美の夫・洋司(安藤政信)に遭遇する。
〈解説〉
全国で年間約8万人が登録される「失踪者リスト」に着想を得て作られた人間ドラマ。ドキュメンタリー出身の久保田直監督の『家路』に続く劇映画第二作。126分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆夫の謎の失踪。残された妻の狂おしさ。堂々のキャスティング(白石加代子!)なのに乗れず。話の焦点がボヤケた?
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆映画の底にある情感と島の寒々しさがシンクロしすぎていないか。「こらえる」芝居が表に出ると、他の色が沈んでしまう。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆帰らぬ夫を待ち続ける登美子は想いの深さを隠すように穏やかな日常を送り、奈美は感情露わに夫を探す。どちらも怖い。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆仏映画『まぼろし』を連想させつつ、日本固有の土着性に根差した圧巻のドラマが紡がれる。熱演と写実の均衡に漲る気迫。
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洞口依子(女優)
★★★★★田中裕子と安藤政信という信憑性。2つの一等星を見つけた気分に。待つ女の千夜と映画を観る側の一夜をぜひ劇場で。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『千夜、一夜』(映画『千夜、一夜』製作委員会)
10月7日(金)よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
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