〈あらすじ〉

 車の窓拭きで生計を立てる40歳のバニー・キング(エシー・デイヴィス)は、ある事情から妹グレースとその再婚相手ビーバンの家に居候中。里親のもとで暮らす幼い娘と思春期の息子とは、家庭支援局で監視付きの面会しかできないが、いつか家族で暮らすことを夢見ている。

 ある日バニーは、グレースの連れ子トーニャ(トーマシン・マッケンジー)に、ビーバンが言い寄る場面を目撃する。姪を守るためにビーバンを殴り飛ばした結果、妹夫婦の家を追い出されてしまう。ビーバンの車を盗み、トーニャを助け出したバニーは、娘の誕生日の面会を求めて、家庭支援局に立てこもる。

〈解説〉

 愛する子どもたちと暮らすために奮闘する女性の姿を通して、ニュージーランドの社会問題をも描く。ゲイソン・サヴァット監督の長編映画デビュー作。100分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆極貧でも愛情深く逞しい母性の力――というところだが、つい、子供のほうに同情。ユーモラスな場面もあって救われた。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆意地や気骨の形を早々と見せてしまうのは疑問だが、しぶとい二枚腰でなかなか土俵を割らない、小さな荒廃に実感あり。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆貧しさを体験していたらバニーの無謀な行動に共感し焦るかも。ネガティブなようで「どうなってるの!」に救われた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆シングルマザー版『狼たちの午後』的な怒りの表明。突進力は強いが、主人公の掲げる「正義」にもう少し補助線が欲しい。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆終盤に向けての巧技。正義についての物語はともかく画面からは身体的、感情的にも女優と監督の相性の良さが伝わる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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©2020 Bunny Productions Ltd

『ドライビング・バニー』(ニュージーランド)
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開中
https://bunny-king.com/