「まさか中学生が…」各紙の反応は
この少年逮捕を、各紙は社会面や社説でも手厚く報じている。
たとえば、朝日。
「まさか中学生が 『弱ければだれでもよかった』」「社会に挑戦なぜ」
――といった見出しで、社会面の見開きページをほぼ事件の記事で埋めつくし、逮捕当日のドキュメントも掲載。本来は政治や海外ニュースを扱う二面や三面でも事件を報じた。
さらに社説では「今回の事件を、私たちは冷静に解読する責任がある。その作業を通して、社会のあり方に欠陥があるとすれば、どこにどのような要因があるのか、深く考えなければならない」と強調した。
読売も同様だった。
「『まさか』 14歳の凶行」「『弱者ならだれでもよかった』」「近所の子、通り魔も……」
――と、社会面を見開き、やはり二、三面をほぼ事件の記事で埋めた。
社説では「少年をこれほど憎しみに満ちた残忍な犯行に走らせたものは何だったのか。少年は取り調べに『殺害の相手はだれでもよかった』と自供しているという。その心の荒廃は空恐ろしいばかりだ。動機と背景を多角的に解明しなければならない」と訴えた。
毎日も変わらない。
「近所の子だとは 惨殺背景は」「息をのむ教育界」
――の見出しで、社会面で「14歳の衝撃」と題して緊急連載をはじめた。
二、三面でも事件を報じ、社説では「あまりにもむごい事件だったが、その容疑者が同じ区内の中学3年生だったことで、事件の異様さとナゾはさらに深まった(中略) これだけむごく、異常な犯罪をなす人間をこの社会が生み、しかもそれが少年であることの怖さと痛みを、私たちは改めて知らされた」と記している。