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【原画展開催】《画業40年》“SF少女マンガの先駆者”日渡早紀が変えたもの、変わらないもの「手書きのファンレターも、雑誌の広告欄もなくなりました」

日渡早紀先生インタビュー#3

2022/10/18

genre : エンタメ, 読書

note

――今年1月に東京タワーで『ぼく地球』イベントがあった際は、ブログの更新がすごかったですね。

日渡 はい。イベント期間中、毎日怒涛の更新をして燃え尽きたのはよい思い出……。

 今は、イベントのご来場者さまにお書きいただいた『交信ノート』へのご返信や近況などを、不定期にですが綴っております。

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製作はデジタル化したけれど……

――現在、先生の作画はデジタルを取り入れていらっしゃいますか。

日渡 私自身の環境は、既にデジタル化しております。移行に2年余りの準備期間を要しました。

 今現在では、スタッフがまだ紙の原稿上でないと背景を描けないと申しますので、それを取り込んでの作業ですが、私個人のみの作業でいえばオールデジタルです。ネームまでデジタルで描いてます。味をしめました(笑)。

――そうなんですね。PCやデジタル機器にはお詳しかったんですか?

日渡 もともとオーディオとかいじるのが好きだったので、その延長線上にPCがあったみたいな印象です。

――2020年、萩尾望都先生はiPad上でフルデジタル製作し、縦スクロールで読むデジタルコミックを発表されました。日渡先生も今後、デジタル環境での作品発表をお考えですか。

日渡 萩尾先生すげぇ……。私は、今でこそまだ紙媒体の雑誌に掲載させていただいておりますけれども、今後どうなりますかねぇ……。

 縦スクロール作品を描いたことはありませんが……昔ながらのコマ割りが好きなので、まだまだ紙媒体で読んでいたいですね~。ありゃ。描く側の意見じゃなくなっちゃった。

――いまはwebアプリ限定連載なども増えていますね。

日渡 時代には逆らいようもありませんので、なるようにしかならないですが、とりあえず白泉社さんで描かせていただけたらいいなぁ……と夢見ております。

 賞とかいうものには無縁の私ですが、白泉社さんだけはデビュー作に「アテナ大賞第2席」という賞をくださったんですよ。しかもあんなへたっぴな……ああ、今もか……私を拾い上げてくださったわけで。

 それって人生の宝物なので。白泉社さんについていきます。

ぼくの地球を守って 1 (白泉社文庫)

日渡早紀

白泉社

1998年3月18日 発売

【原画展開催】《画業40年》“SF少女マンガの先駆者”日渡早紀が変えたもの、変わらないもの「手書きのファンレターも、雑誌の広告欄もなくなりました」

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