「数年前、事故が多かったせいで社員のボーナスが大幅に減額されたことがあるんです。しかし社長はそんな年に、自分と副社長、運行部長の3人にだけ青色のクラウンを購入していました。そのクラウンは警察が本社を家宅捜索した際の報道でも映っていましたよ。あるベテランドライバーは、吉田社長が『俺と清水が暮らせれば良い』と言っているのを直接聞いたとあきれ顔をしていたこともあります」(同前)
吉田社長が“別格”の扱いをする「清水」とは、同社の清水照康副社長のこと。前出のCさんが続ける。
幹部の贅沢な生活「豪邸住まいに高級車がズラリ」
「吉田社長にとって清水氏は舎弟のような存在です。過去に清水氏が勤めていたガソリンスタンドを吉田社長が利用していたことから知り合い、高待遇ポストを用意し誘ったと聞いたことがあります。当時の吉田社長は無届有賃送迎業務でかなり羽振りが良く、清水氏もこれを手伝っていたと聞いています。
吉田社長は口下手ですが、清水氏は口のうまい営業マンタイプ。ここまで美杉観光が仕事を増やせたのも清水氏の手腕が大きいのではないかなと思います。清水氏が飛び抜けていますが、お気に入りの待遇や振られる仕事はとてもいい。社員同士で『利益の取り分は社長が6、副社長が3、残る全社員が1』だなんて自虐することもありました」
清水氏のインスタグラム(※横転事故後、閲覧不可に)には、飯能市近郊の自宅に停められた高級車の写真が投稿されていた。1000万円以上するスポーツタイプのレクサスの限定車などが計3台。自宅も洗練された豪邸だ。
吉田社長や清水氏らが羽振りの良い生活をする一方、社員らの生活は相当厳しかったようだ。元美杉観光バス運転手のAさんが語る。
「観光バス運転手の経験がありましたが、手取りは19万円ほど。何を理由に減額されたのか分かりませんが、入社前に説明された額よりはるかに少なかったんです。通勤に使用していた自家用車の燃費が悪かったせいもありますが、毎月数万円のガソリン代がかかりましたが交通費は一切支給なし。出勤すれば出勤するほど赤字が膨らむような感じです。固定だった残業代も、他社の運転手から『そんなに少ないの』と驚かれましたよ」
その給与からさらに目減りすることもあったようだ。