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《観光バス横転》経営幹部と運転手らの“残酷すぎる格差”「社長も副社長も豪邸住まい。高級車が何台も…」「社員は手取り19万円。働くほど赤字になった」

genre : ニュース, 社会

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“切り詰め戦略”はバス車両にも及び…

「私は事故をしたことがないので詳しくは分かりませんが、同僚から聞いたところによると、ボディを擦るなどすると月2万5000円の安全手当がなくなり、5000円~数十万円の罰金を科せられると聞いたこともあります」(同前)

 同社でアルバイトとしてバス運転手をしていたDさんも、「何時間働いても日給1万5000円でした。1日で3つの乗車業務をさせられ、4~5時間くらいの睡眠で出社したことも1回や2回ではありません」と待遇に不満があったことから辞めたという。

 そうした“切り詰め”は商売道具にも及んでいたようだ。地方の営業所で採用されたという、前出のCさんが明かす。

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事故現場の様子 ©時事通信

「埼玉の本社近くに今は新しいバスがたくさんあり、それで入社を決める人もいます。今回の事故があったクラツーで使うのも比較的新しい車両ばかりです。しかし、地方の営業所では本社が使い古したバスが送られてくるので、ほとんど朽ち果てていて、車両点検もしっかりとやっていません。錆びたりバッテリーが上がったりしている車ばかりなんです」

 美杉観光バスに事実確認をしたところ、以下のような返答があった。

美杉観光バスの吉田典弘社長 ©共同通信

「現在静岡県警察の捜査中のため回答は控えさせていただきます。何卒ご容赦くださいませ」

 経営幹部と一般社員では、会社に対して負っている責任の重さが違う。報酬に差が出るのも当然だろう。しかし社員らにこれほど多くの不平不満が鬱積していて、業務に支障がでることはないのだろうか――。

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