“切り詰め戦略”はバス車両にも及び…
「私は事故をしたことがないので詳しくは分かりませんが、同僚から聞いたところによると、ボディを擦るなどすると月2万5000円の安全手当がなくなり、5000円~数十万円の罰金を科せられると聞いたこともあります」(同前)
同社でアルバイトとしてバス運転手をしていたDさんも、「何時間働いても日給1万5000円でした。1日で3つの乗車業務をさせられ、4~5時間くらいの睡眠で出社したことも1回や2回ではありません」と待遇に不満があったことから辞めたという。
そうした“切り詰め”は商売道具にも及んでいたようだ。地方の営業所で採用されたという、前出のCさんが明かす。
「埼玉の本社近くに今は新しいバスがたくさんあり、それで入社を決める人もいます。今回の事故があったクラツーで使うのも比較的新しい車両ばかりです。しかし、地方の営業所では本社が使い古したバスが送られてくるので、ほとんど朽ち果てていて、車両点検もしっかりとやっていません。錆びたりバッテリーが上がったりしている車ばかりなんです」
美杉観光バスに事実確認をしたところ、以下のような返答があった。
「現在静岡県警察の捜査中のため回答は控えさせていただきます。何卒ご容赦くださいませ」
経営幹部と一般社員では、会社に対して負っている責任の重さが違う。報酬に差が出るのも当然だろう。しかし社員らにこれほど多くの不平不満が鬱積していて、業務に支障がでることはないのだろうか――。
◆◆◆
「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:sbdigital@bunshun.co.jp
文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386
![](https://bunshun.ismcdn.jp/common/images/common/blank.gif)
文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。