「ヒカル」の名が誕生した瞬間
『ドカベン』といえば野球マンガの金字塔だ。名作中の名作とされる。たくさんの読者を魅了した理由のひとつは、間違いなくこのキャラクター造形だろう。
これだ――。読み終えた僕のなかに確信が湧いた。いま僕に必要なのはこれだ。濃さだ。クセだ。
そのころの情報商材ビジネスの世界はつわものぞろいだった。まさに群雄割拠。そんな世界でどう存在感を示すか。販売する商品は良質でなければならない。とうぜんだ。でも僕はその品質ばかりにこだわっていた。それだけで厳しい競争を勝ち抜くことはできない。
新しいお客さんを獲得し続けていくためには、一発で目を引く、わかりやすいなにかが必要だ。で、ちょうどそのころの僕はまっきんきんの金髪ヘアだった。
これだ。「金髪起業家ヒカル」。僕は机に積まれた『ドカベン』を横目にしながら自分をそう名づけた。いわば『ドカベン』から舞い降りてきたネーミングだ。「ヒカル」の名が誕生した瞬間である。
金髪起業家ヒカル――。クセがあって、どこか親しみがあり、さらに頼もしさも伝わる響きだ。これならお客さんの目を一発で引ける。そう確信した。そして実際、そのネーミング、売り込み方は大当たり。購入者は雪だるま式に増え、あっという間に月収1000万円を超えたのだった。
直感とは、あなたの心の奥深くにある潜在意識のささやきだ。そしてその声はいつも正しい。なぜならその声は、常識やしがらみといった、あなたの自由を奪うノイズとはまったく無縁の境地から発せられたものだからだ。あなたがなりたいものに突き進むための曇りのない声だからだ。
そこに選択の余地はない。そもそも物事においてAかBかというような選択に迷う機会は少ないほうがいいのだ。選択を迫られている時点で、もうそこにたいした可能性はない。
直感を信じよう。根拠はないけど、とにかくこうしたい、とにかくあれをやりたい。そんな衝動が走ったときには迷わずその衝動に従おう。それはあなたが化けるチャンスなのだ。ボーナスタイムなのだ。
だいじょうぶ。あなたの心は答えを知っている。あなたにとってなにがベストかをいちばん知っているのはあなたの心だ。直感どおりにやったあとあなたはその答えを手にするだろう。それは僕が約束する。
やりたいことはあきらめない。やりたくないことは我慢しない。いつも自分にそう言い聞かせよう。それが直感に素早く従うための作法だ。