文春オンライン
「金に物を言わせた企画に『下品だ、はしたない』と非難も…」YouTuber・ヒカルがそれでも“好感度を無視”するワケ

「金に物を言わせた企画に『下品だ、はしたない』と非難も…」YouTuber・ヒカルがそれでも“好感度を無視”するワケ

『心配すんな。全部上手くいく。』より #2

2022/11/19
note

 チャンネル登録者数480万人超の“カリスマYouTuber”として知られるヒカル氏。芸能人、アーティスト、文化人、実業家、スポーツ選手や学者──いまや多士済々がひしめくYouTube界において、長年トップをひた走り続けている。なぜ彼は、日本屈指の影響力を持つ存在になれたのだろうか。

 ここでは、ヒカル氏の著書『心配すんな。全部上手くいく。』(徳間書店)から一部を抜粋。“カリスマYouTuber”の驚くべき戦略を紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)

◆◆◆

ADVERTISEMENT

トップ・オブ・トップのユーチューバーになるための決断

 2016年3月、僕は30万人のチャンネル登録者を得ていたゲーム実況チャンネルを捨て、あらたに実写動画チャンネル「ヒカル(Hikaru)」を開設した。トップ・オブ・トップのユーチューバーになるための決断だった。

 それまで実写動画らしい実写動画はほとんど撮ったことがない。ほぼ1からの再スタートだ。周囲からは無謀だと言われたが、もちろん勝算あってのことだ。

 僕は自分のなかにひとつ、シンプルな決め事をつくった。それは「好感度は無視する」ということだ。

 ここ最近、暴露系とか告発系などと称されるエッジの立ったユーチューバーが人気だったり、一時期は迷惑系なんて呼ばれるユーチューバーが出没して、その行為の是非はともかく話題を振りまいたりした。

 でも僕が実写動画チャンネルを立ち上げた2016年当時のYouTube界はまだそこまでのカオス感はなかった。いまに比べれば、ずいぶんおとなしいものだった。

 その当時の人気ユーチューバーはみんなどちらかといえば行儀がよく、スマートだった。子どもも大人も安心して見られる茶目っ気たっぷりの企画で視聴者の心をつかんでいた。ようするに好感度の高い人ばかりだった。

 新参者の僕がいまさらその密集地帯に割って入るのは無理だ。そもそも僕は好感度なんてものとは無縁に生きてきた。僕は基本的に自分本位の人間だ。なら、それを逆手に取ろう。押し出しの強い企画でひたすら攻めよう。それが僕の戦略だった。