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NHK出演後、クレームが殺到するも…
――NHK『きょうの料理』への出演依頼(1985年6月)を聞いた時は、どう思いましたか?
レミ 最初のエッセイの時はごねたけど(笑)、その頃にはもう「どこでもいつもやっていることをやるだけだ」と思っていたから、緊張もしませんでした。
でも、その番組で「牛トマ」を作るために、トマトをまるごと手でぎゅっと潰したら、NHKに「汚い」という抗議がたくさん来て、大変だったそうなんです。
NHKからは「もし今度出ることがあったら、そういうことは絶対なさらないように」という注意も受けましたが、「私は私流のやり方でしかできないから、変えられません」って言い返してしまいました。
潮目が変わったのは、数週間後。新聞の投稿欄に、「気取りのないすばらしい手さばき、お見事でした」などと褒めてくれる投稿が載ったんです。そうしたら急に、NHKから「レミさん流でいいから、またやってほしい」ってオファーが来て(笑)。
――そのままでいい、自由にやっていいからと。
レミ あっさり手のひら返しよ(笑)! やったね、これでいいんだよね!って。結局みんな、「安く・手早く・簡単な」お料理が好きなんですよね。
「料理愛好家」を名乗る理由
――レミさんは、料理研究家ではなく、愛好家を名乗られていますね。
レミ 初めてCMに出ることになった時、肩書は「料理研究家」でいいですかって確認されたんです。それで和田さんに相談したら「レミは愛好家じゃない?」って言われて、すごくしっくりきたの。だって料理は、学者みたいに研究するものじゃなくて、「ラララ〜」って、歌いながら楽しくするものですから。
――料理を紹介するお仕事で、大切にしていることはありますか?