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レミ あまり高い材料を使わずに、誰でもできて、美味しい料理。かつ、少し変わっていること。だって、普通なら、もうみんなやっているでしょう?

――レシピは、どのように思いつくのでしょうか。

レミ 普段から、どこかで何かを食べた時、「私だったらこうするな」ということをしょっちゅうメモに書いています。そうやって書き溜めたメモを見て、これをこうしようかな、ああしようかなってヒントにすることはありますね。

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きっかけは赤塚不二夫の一言

――レミさんの料理といえば、「バカのアホ炒め」「ペテンダック」など、ネーミングのユニークさも特徴です。料理名に“遊び”を入れるようになったのは、いつからでしょうか?

レミ はじまりは「台満餃子(たいまんぎょうざ)」。和田さんの友人で漫画家の赤塚不二夫さんが、「餃子パーティーやろう!」と言ってひき肉をいっぱい持って来たんだけど、材料を台所に置いたら、さっさと別の部屋に行ってしまったんです。そして、そこでワイワイ飲んでるわけ。

漫画家の赤塚不二夫さん ©文藝春秋

 私はたった一人取り残されて、何百という餃子を作らなくちゃいけない。でも、私だけ一個一個包むのに格闘するのはイヤだ!と思って、まず、餃子のタネは大皿いっぱいの大きさの、ハンバーグ状のものを一個ドーンと作りました。それを電子レンジでチンする間に皮を茹でて、チンしたお肉の上にまとめて乗せて、「はいできたわよ」って出したんです。

――面倒だなという気持ちが、既成概念の壁を壊し、手軽さの追求につながっています。

レミ 赤塚さんは、それを見て「レミちゃん怠慢だね! すごいね!」って面白がってくれました。すると今度は和田さんが、中国っぽく「“台満”餃子」という当て字はどうだろう、と提案してくれたんです。それからですね、名前でも楽しさを味わえるようなレシピが増えていったのは。

写真=山元茂樹/文藝春秋
 

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