こうしたアドバンテージに目を付けたのが、オーストラリアで物流施設の所有、開発、管理を手掛けるグッドマングループだ。彼らは印西市内の広大な土地を8つのステージに分けて順次開発、最終的には総賃貸面積で80万㎡を超える規模の物流・データセンターを建設する。すでに16年3月に竣工したイースト(ステージ1)、18年1月竣工のサウス(ステージ2)、19年2月竣工のノース(ステージ3)、20年10月竣工のイーストゲート(ステージ4)の4棟は満室となっている。また施設の中央部には、無機質なデータセンターだけでなく、保育施設やカフェ、レストラン、店舗などの商業施設、フィットネスなどを完備させており、街との持続可能性の追求もテーマとしているところが特徴だ。
「子育て世帯ランキング」第2位に
印西市は人口が約10万人。街として開発されたのは1984年3月に北総鉄道北総線が船橋市小室駅から延伸されて千葉ニュータウン中央駅が開業した頃だ。この鉄道はさらに東に向かって延伸を続け、95年には印西牧の原駅が開業、2000年には印旛日本医大駅までが開通する。その後2010年には成田スカイアクセス線の開通によって成田空港につながる。この鉄道路線の開通は、96年4月に市に昇格した印西市の発展を強力に後押しするものとなった。
印西市は東京都心から40㎞圏。市の中心部に位置する印西牧の原駅から日本橋には特急利用で50分。15㎞しか離れていない成田空港へは30分以内でアクセスできる。また羽田空港にも都営浅草線経由、京浜急行を利用すれば乗り換えなしでアクセスできる。
こうした交通利便性のみならず、印西市は大東建託が発表した「子育て世帯の街の住みここちランキング」(2021年)で、東京都中央区に次ぐ第2位の座を獲得するほどの人気の街として注目を集めるに至っている。