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お母さんに先生の言葉を伝えると…
学校を出て街の広場を歩いていたら、もう日暮れ時になっていた。日没の太陽がまっすぐ広場を照らして、そこを歩くたくさんの人々をシルエットにして浮かび上がらせている。
「ああ、もしかしたらここに今いる人たちだって、明日には全員死んでしまうのかもしれない。明日戦争が起こったら、みんな死ぬのかな。こんなおしゃれな広場も大きな穴だらけになるのかな」
そんなことを考えながら歩いていたら、広場にある回転木馬がメチャクチャに壊されてしまっている姿が頭に浮かんできてしまった。それを振り払うように頭を振って、家へと向かった。
お母さんにも先生の言葉を伝えた。でも直接聞いた私ほどのショックは受けていなかったように思う。お母さんを不安にさせるようなことはなるべくしたくない。先生は「シェルターに」と言ったけれども、シェルターだってこの街にはそんなにない。スペースだって限られているはず。
だったら、お母さんに行ってもらって私は残ろう。お母さんだけならなんとかなるはずだ。私の分の余計なスペースは取りたくない。
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