10月31日1時頃、終電を終えて人気のない神奈川県某駅のロータリーで男性がタバコをふかしている。携帯をいじりながら15分ほどタバコを吸い、近くにあるコンビニの前へ移動すると目の前に1人の女性がタクシーから颯爽と降りてきた。笑顔を溢した男性が女性の肩を自然と抱き寄せる。「NY」と刺繍されたお揃いのニット帽が2人の親密さを際立たせている。
この男性は、YouTuberと肩を並べ子供たちの憧れの職業でもあるeスポーツ選手のFisker(25)である。1児の父で“戦うパパ”としてeスポーツ業界を牽引しているパパプロゲーマーだ。
実は、Fisker選手はこの女性との関係が原因で、所属チームを解雇されてしまったのだ――。
Fisker選手が所属していたeスポーツチーム「FAV gaiming」は、11月11日、突如Fisker選手の解雇を発表した。
《この度、VALORANT部門所属選手の「Fisker」について、契約違反が確認されました。調査の結果、違反行為が事実と判明したため、同選手を2022年10月31日付で契約解除処分といたしました。関係各所との調整上、発表が遅れまして大変申し訳ございません。》
その後、Fisker選手もTwittrで契約終了についてこう明かしている。
《先ほど、所属しておりましたFAV gamingから発表がありました通り、チームとの契約が終了となりました。日頃より応援してくださっている皆さまを裏切る形となり、誠に申し訳ございません》
しかし、いまだ《契約違反》の内容について詳しく説明されてはいない。一体、何が起きたのか。
日本のeスポーツ界を代表する天才プレイヤー
Fiskerは、人気FPS「VALORANT」のプロeスポーツ選手で、YouTubeに自身のプレイ動画投稿も行っている。9月30日に放送された「Eラボ~ゲーミングデイズ~」(フジテレビ系)に出演した際は、歌手の藍井エイルなどタレントへの指導にも就いていた。
「ずば抜けたゲームセンスを持っていて“日本FPS天才プレイヤー”の1人と言っても過言ではありません。仕事と家庭を両立させている姿と華麗なプレイにゲーマーたちからは尊敬の眼差しを送られています。FPSに興味がある人であれば誰もが聞いたことがある超有名選手ですよ」(ゲーム関係者)
eスポーツの人気は世界的に広がってきている。東京五輪2020では正式種目として採用されなかったものの、前座として国際オリンピック委員会(IOC)が主催した公認eスポーツ大会「オリンピック・バーチャル・シリーズ」が開催された。
一方で、eスポーツ選手が差別発言などで問題を起こすことも多く、契約解除や活動停止に至る例も珍しくはない。「選手の不適切行為がスポンサーやゲーム自体の信頼を毀損しかねない」(同前)という業界なだけに、選手のトラブルには極めて敏感なのだ。