佐藤勝利は本人が目標としていた帝劇舞台「SHOCK」に出演。堂本光一のライバル役を好演し夢を叶えた。続けてドラマ「赤いナースコール」の主演、舞台「ハロルドとモード」で黒柳徹子と共演するなど、ジャニーズとして王道をガッツリと邁進している。彼の、美しい樹のように育つ姿は11年ずっとこのグループの軸だ。ブレなさが心地良い。
「Sexy Zoneの最終兵器」松島聡
そしてなにより、時代の追い風を感じるのが松島聡だ。やわらかなやさしさと多様性を感じる魅力は、現代のニーズにぴったりとハマる。
かくいう私も、その姿にホッと癒されている一人。しずおか元気旅大使として、静岡県PR動画で魅せる親近感。「PEACH JOHN」の、家事も料理も一緒に楽しんでくれそうな包容力。そしてなにより11月4日開始のドラマ「記憶捜査3」の巡査長、世条匠役がすこぶる良い! 北大路欣也・石黒賢という濃い大御所、風間俊介というクセ者の中堅に囲まれ、上白石萌音とともに、透明感あふれる演技を見せている。
「待っていて良かった」――。ファンは誇りに思っているのではないだろうか。というのも、松島は2018年11月、パニック障害で活動休止したが、その期間は1年9カ月。正直かなり長く、半ば諦めていた人も多かっただろう。
ところが松島は美しくなり即戦力として復活。私も後追いで見たが、休養中に蓬莱山で修行でもしてきたのかとびっくりした。そして「しっかり休む意義」みたいなものが彼の笑顔から見えて、感動したものだ。だからこそ、自分のペースを掴んだかのように確実に結果を出し、染み入るように愛されていった今年の松島の活躍は、観ていて勇気づけられた。
現在はマリウス葉が休養中だが、松島と同じく、小学生から表舞台で疾走してきた彼。その休みはやはり大きな意味があるのだろう。静かに復活を待ちたい。彼が体調を整えて復帰し、グローバルな知性が加われば、休養の経験を活かし、新たなグループ活動のスタイルが生まれる気がする。そして、デビュー曲「Sexy Zone」の歌詞さながらに、本当に時代を創る気がしてしかたがないのである。