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紆余曲折を乗り越えられた理由

 とはいえ、Sexy Zoneの11年を振り返るとかなりの紆余曲折。初期は中島健人が飛び抜けて売れ、バランスが取れているとはいえなかった。中島、菊池、佐藤が3人体制になった時は批判が殺到、2014年ごろから2016年まで続いた菊池と中島の仲たがいも深刻だった。「今でも二人がハグしているのを見ると夢かなと思う」というコメントを見たことがあり、ファンにとってはトラウマレベルの冷戦状態だったようだ。

 2018年までほとんど仕事が無かったという菊池は苦しんだだろうし、2020年には松島が活動休止、そして現在はマリウス葉が活動休止と続く――。デビューが早すぎたせいで、心の準備のなさ、技術の足りなさを実感し、個々がもがいているイメージがありありと見える。スキャンダルはないが、オーバーヒートがあるのはきっとそのせいだ。

「夏のハイドレンジア」

 よくぞ乗り超えた、よくぞ耐えた。よくぞ戻ってきた――。本当に「よくぞ、よくぞ」なセクゾの11年間! 冒頭でも記したが、本人の努力はもちろん、時代性やタイミングなど様々な要素が絡んでの奇跡なのだと思う。

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 だからこそ、ただただ祈りたい。2020年のライブ「POP×STEP!? TOUR」では、「RUN」で、それぞれのメンバーカラーの道がそれぞれ真っ直ぐ伸び、そこを走りメインステージに集まる演出が印象的だった。彼らの今年の個人活動は、まさにあのイメージ。スキルアップにいそしみ、ビビッドに自分の個性を光らせる彼らは夢の途中。5人がステージに集まる日を多くの人達が見守っている。

「RUN」

 まずはその大きなステージの一つ、初のドームツアー「ザ・ハイライト」が実現する。東京ドーム公演が12月16日、17日。京セラドーム大阪公演が12月24日、25日だ。

「何も知る術もなくて 最低でも最高だった 蒼き日々たち」(「Forever Gold」より、作詞・JUN)

 最年少でデビューしながらも、11年かかってドームの夢を叶えた彼らだからこそ響く歌詞だ。「長くかかったなあ」とも思うが、同時に素晴らしいドラマだと感じる。

 長かったなあ。でもこのタイミングで、ドームに咲いて良かった――。オレンジの輝きを取り入れつつ、きっとそう思わせるステージを見せてくれるはずだ。