実際の効果はどれくらい?デメリットは…
さて、肝心の効果はどのぐらいあるのでしょうか。筆者のPCは、このツールで行えるようなメンテナンスを月1回ペースで定期的に行っているせいで、あまり直接的な効果は期待できないのですが、6つのベンチマークソフトを使って施行前・施行後のスコアを比較したところ、うち5つではスコアが向上し、最大110.3%の伸びが見られました。
この結果だけ見ると「なぁんだそんな程度か」で済まされそうですが、月1回メンテナンスを行っている筆者のPCでまだ高速化の余地があったことを考えると、購入してから一切メンテナンスを行っていないWindows PCでは、相当な高速化が見込めそうです。特に今回手を触れなかったスタートアップまわりの設定変更を行えば、劇的な改善も期待できます。
ちなみに本アプリと同様のツールはサードパーティーからも複数リリースされていますが、Windowsの不要なファイルを消すという建前ながら、必要なファイルやレジストリまで削除してしまい、Windowsの動作がかえって不安定になることもありました。また多くのツールは広告収入のバナーやポップアップだらけで、無関係なアプリのインストールを促すなど、あまり行儀のよくないツールもあります。
その点、本ツールは完全無料で、広告も(今のところは)表示されません。このことは大きなメリットです。
ただし一方で、Microsoft純正であるがゆえのデメリットもあります。それは他社製のアプリに原則対応しないことです。例えばGoogle製のブラウザ「Chrome」のキャッシュは、Chromeからだと設定→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」で削除できますが、本アプリからの削除は不可能でした。
こうした他社製アプリのメンテナンスまで考慮すると、ベンダーを問わず著名なアプリを網羅しているサードパーティー製アプリのほうが、幅広い効果が期待できます。
以上のように、同種のメンテナンスツールの中では、純正であるがゆえの安全性重視の設計が特徴で、パワーユーザには物足りなく感じるかもしれませんが、言い替えると初心者でも使えるハードルの低さが売りということになります。
現時点ではパブリックベータ版という位置付けのせいか、Microsoft自身、このツールの存在を大々的にアピールしていませんが、今回試した限りでは不安定さはなく、英語が苦手な人にとっても難易度は高くありません。Windows PCを使っている人は、いちど試してみる価値はありそうです。