文春オンライン

2022/11/18

genre : ニュース, 社会

被告「その時の……気持ちは、今はっきり覚えてないですね」

検察官「執行猶予期間中だからやめないと、とか思わなかった?」

被告「覚えてないです」

検察官「沖縄での強姦致傷の裁判のなかで、女性がどんなに怖かったかとか、そういう調書を読みましたね?」

被告「……覚えてないです」

服役中は「ただ、時間が過ぎるのを待ってた」

検察官「裁判で印象に残っていることはありますか?」

被告「……担当刑事が、傍聴に来てたってこと」

検察官「沖縄での事件で、8年弱服役していましたよね。どんなことを考えて過ごしていましたか?」

被告「……自分が犯した罪としっかり向き合ったかといわれたら、そうではなかった。ただ、時間が過ぎるのを待ってた」

 検察側は喜納被告が起こしたこれらの事件に続く形でAさんの事件を起こしたと主張していた。その見方をすれば、Eさんの強姦致死事件、そして今回殺人で亡くなったとされるAさんの事件を、喜納被告が否認していることになる。そのため最後にはこんな質問も飛び出した。

検察官「あなたが否認しているのは、強姦致死と今回の事件。2人とも亡くなっていますね。被害者が生きている強姦事件やわいせつ略取未遂事件は認めている。検察官から見ると『死人に口なし』のような態度にも見えますが?」

被告「そういうことはありません」

検察官「Aさんのお姉さんは『あなたの口から、なぜ妹だったのか。なぜ妹が殺されたのかを聞きたい』と言っています。検察官としては、あなたしかこの話はできないと思うのですが、今日この場で説明できることは何もないですか?」

被告「はい」

喜納被告に死刑を求刑した理由

 11月7日の公判で検察官は、喜納被告に対して死刑を求刑した。

「Aさんを拉致し、わいせつな行為に及び、殺害したのは全て同一犯によるもの。その犯人は被告人です」

 2013年から喜納被告が起こしてきた連続強姦・強姦致死事件にも触れ「事件まで、3度の連続した成功体験があった。全員、姦淫に成功していた。1つの事件では被害者を死に至らしめていたが、当時はまだ被告人の犯行と発覚しておらず、ハードルが低くなっていた」と指摘。2013年12月に“犯行に失敗”したうえ、2014年1月15日の夜から夜間勤務が始まるタイミングに起こした事件だったと主張した。

現場方面へ向かう道  ©高橋ユキ

 その手口も、過去の強姦事件で、信号停止中の車に乗り込んで拉致したことで“成功”し、かたや、その後には駐車場で拉致しようとして“失敗”したことから「より成功の可能性が高い、走行中の車を狙い、人里離れた場所へと移動した」とも述べている。