文春オンライン

2022/11/20

genre : ライフ, 社会

女性が男性と同様に主張や昇進すると批判の対象に

 ただ、反発する気持ちを持っていたとしても、こういう無意識の偏見に基づいた態度や発言は、女性たちの中に行動規範を植えつけていきます。

「女性は家庭的でなければならないと思われている」

「女性は男性のフォローをしなければならない」

 ともすると、後輩女子たちも毒されてしまう。

(学校では習わなかったけど、社会はそういうものなんだなぁ…)

 こうして女性自ら、男尊社会の再生産を起こすのです。

 会社にもよるとは思うけれど、職務権限を持っている人の圧倒的多数に無意識の偏見がはびこっている中で、女性が男性と同様に何かを主張したり、昇進したりするのは、注目の的であると同時に批判の対象です。積極的になればはしたないと思われ、遠慮をすれば声が届かない。それは当の女性たちが一番わかっていること。

 もちろん多くの企業のホームページには「女性活躍推進をしている」って書いてあるし、生き生き仕事をしている女性たちが登場していますよ。

 でも、数字は嘘をつきません。

 女性の管理職の割合は国際的水準が30~40%台。それだって人口比からしたら少ないのに、厚生労働省によれば日本企業の女性管理職の比率は、2020年度の雇用均等基本調査では部長相当職が8・4%、課長相当職が10・8%。男性の平均賃金水準を100・0としたときの女性の平均賃金水準も、2020年で74・3%(厚生労働省 賃金構造基本統計調査)と8割に満たず、大きな差がある。

男尊女卑発言を我慢していると、相手もどんどんつけあがってくる

 世界経済フォーラムが定期的に発表している各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数では、2022年の日本の順位は146か国中116位でした。先進国の中で最下位。中国、韓国、ASEAN諸国より低い順位です。いったいどこが男女平等なんでしょう?

 正直言って、私の中にも「女性とは」というバイアスがあります。

「リーダーは男性の役割、私はサポートに徹しよう」

「資料は整えて、挨拶は男性にまかせる」

「飲み会のときのオーダーとお酌は私の役目」

 ま、そのほうがぶっちゃけモテますしね。でも、そんなふうにしても寄ってくるのは偉ぶりたいオッサンばかりでロクなことはありません。昭和生まれの私が思い込んでいる「女性らしい振る舞い」をしたところで、正直言って今まで生きてきて何の得もなかった。そうわかっていても、やっぱり長年の間に染みついた考え方や振る舞い方はなかなか抜けるものではない。

 ただ、今は無意識ではなく意識しているので、自分の中のバイアスと闘っています。

 自分が準備したことは自分が仕切って責任の所在を示す。会議のときは堂々と真ん中に座る。紹介されなくても自分から挨拶する。お酌は接待するときだけ!

 だいたい、男尊女卑発言を我慢してニコニコしていると、相手もどんどんつけあがっていきますからね。