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 いないですね。ターゲットは吉田(麻也)か冨安(健洋)がなるにしてもゴールはFWが決めないといけない仕事。でも、今の代表にいる浅野(拓磨)、前田(大然)、上田(綺世)、町野(修斗)は、ちょっと点を入れるイメージがわかない。彼らは、前からプレスをかけて、相手のミスを誘うという戦術のためのFWなんですよね。

 自分らの時代は、シュートゼロだとめちゃくちゃ叩かれたけど、今のFWはシュートゼロでも戦術をこなせば叩かれない。俺は、FWは点を取らないと価値がないと思っているし、それに長けている選手を呼ぶべきだと思っているけど、今回はそれがなかった。だから、このチームで点を取るには、2列目にいる伊東や三笘(薫)とか個の能力に頼るしかないと思います。

得点が期待される三笘薫 ©JMPA

――ドイツ戦前の親善マッチとなったカナダ戦では、セットプレーから失点しました。

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 日本代表は、俺らの時代から今もセットプレー、特にコーナーキックからの失点が多い。今の日本代表はマンツーマンで、相手選手について守備をするやり方をしているんだけど、それって個人対個人の戦いなんですよ。相手に競り勝てなくても自由に仕事をさせないというのが鉄則。

 カナダ戦では板倉(滉)がマークを外して失点したけど、長友(佑都)のように相手が180センチ以上の選手でもボールに触れられなくても相手の体をブロックして、シュートをさせないとか、絶対に相手に得点させないという意識と集中力が必要。それを徹底しないと失点してしまうし、そうなると勝利のチャンスを逸してしまう。

セットプレーの守備で要となる板倉滉 ©JMPA

城彰二が語ったドイツ戦の3人のキーマンは

――ドイツ戦、セットプレーでの攻守における課題を踏まえて、どういう戦いになりますか。

 ドイツは、ボールを保持して戦うポゼッションサッカー。簡単に言うとボールを回して戦うスタイルなんだけど、特徴的なのが両サイドバックがかなり高いポジションをとっていること。

 自分たちがゲームを支配して戦うためのポジショニングなんだけど、逆にそれが日本にとっては狙いどころでもある。そこでミスを誘ってボールを奪えれば、日本の両サイドにいる伊東らスピードのある選手がカウンターで前に一気に攻め込むことができる。

――日本のキーマンになるのは、サイドハーフの選手でしょうか。

 伊東、三笘、久保ですね。彼らが高い位置でボールを奪えると、スピードと技術で一気にゴール前まで行けると思うんですよ。伊東ならコーナーの方に蹴って走って、前田あたりが思い切りゴール前に突っ込んでいく。そういうパターンでしか、得点シーンが思い浮かばない。

城氏がキーマンのひとりにあげた伊東純也 ©JMPA

 三笘にボールを出せたら、あとは1対1、2対1でも仕掛けてゴールを狙える可能性が出てくる。こうしたカウンターが決まりそうな感じがするので、今のドイツはいうほどめちゃくちゃ強い感じはしないですけどね。

――ドイツ相手に勝ち点を取るためのスコアは?