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 殻長は3~4cm。同じヨメガカサガイ科のマツバガイと比べるとやや小さく、扁平で食べ応えに欠ける印象だ。しかし、今回の目的である釣り餌としてはちょうど良いサイズである。

 岩肌でも波が被るようなポジションに群生しており、磯場においても同じように波が集約され潮が吹き上がるところに固まっていた。マイナスドライバーがあれば容易に採取できるが、私はたまたま二枚貝の貝柱を切る目的で持参していた栗ピーラーを使った(ナイフは怪我や刃こぼれの原因になるので厳禁)。

ダイソーの栗ピーラー

 殻と岩肌の間にできたわずかな隙間に工具を差し込み、貝を押さえながらテコの原理を利用して工具を起こすと簡単に獲れる。アナジャコやショウジンガニの採取に比べたら、赤子の手をひねるようなものだった。

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水汲みバケツに海水を張っておくと、丸一日生存していた

 食べる分も合わせて50個ほど採取して釣りを開始した。

餌代0円で高級魚ゲットなるか?

 大型の堤防で胴突き仕掛けからスタート。カワハギやカサゴ、手のひらサイズのイシガキダイやイシダイを狙う。胴突きは、出たアタリをかけることに特化したカワハギ専用の仕掛けを使用。ヨメガカサを栗ピーラーで内臓ごとほじくり出したら、締まった身の部分に針がすべて隠れるように刺す。身が大きいものは半分に切って、できるだけ針から身がこぼれないよう小さく付けた。

餌付け

 まずは仕掛けを足元に落としてみると……。

 無抵抗に落ちてくる裸の生貝を魚が見逃すわけもなく、すぐさまアタリが出た。素直にアワセを入れるとササノハベラが釣れた。

岩礁帯や堤防の基礎周りでよく釣れるササノハベラ

 関東では主にリリース対象だが、山陰ではどうだろうか。しかし小さいのでどの道リリース。ファーストフィッシュはベラであったが、餌代0円釣りとしては採取まで含めて成功! あとは個人の満足度次第であろう。