ヨメガカサを食べてみると…
釣行後、活かしておいたヨメガカサはすまし汁にしていただくことに。
殻ごと茹でても、火が通ると自然に身と殻が分離される。二枚貝と違って砂抜きも不要なので、採取から調理までが非常に楽な食材だ。
ではいただきます……。
優しい味だ。肝に苦みやクセもなく爽やかな磯の香りが鼻を抜ける。アサリやシジミのような二枚貝特有のコクはないが、裏を返せば苦手意識を持つ人も少ないあっさりめの出汁。
身は引き締まって、コリっとした食感がやみつきになる。貝の旨味は出汁になっているのであくまで食感を楽しむにとどまるが、甘辛く炊いたりボベ飯にすると飲み込むのをためらうほどの旨味を味わえそうだ。
一点、若干だが肝にきめの細かい砂のようなシャリ感があったのが気になった。処理の問題だったのかもしれないのでマイナスに考えないでおこう。
また機会があればボベ飯にして食べてみたい。
現地で餌を採取する際の注意
今回は漁業権が設定されていないヨメガカサを採取したが、都道府県単位で漁業調整規則が定められ、さらに各漁協でも採取が禁止された生物がいる。海辺で生物を採取するには、細心の注意を払う必要がある。また採取が可能な生物でも乱獲を避け、生態系の維持のため釣りに必要な量だけ獲るようにしたい。
今回紹介した釣りはYouTubeの「ぬこまた釣査団チャンネル」でも詳しく紹介しているので、ご視聴&チャンネル登録をよろしくお願いします。
写真=ぬこまた釣査団(大西)/文藝春秋・山元茂樹