高田愛子さん:
「内科健診」という言葉を思い出さない日はなかったです。カウンセリングに行って治そうかなとも思ったんですけれど、「こんなことで相談に行く人いるのか?自意識過剰と思われるんじゃないか?」という心配があって、カウンセリングに行くこともできなかったです
健康診断の実施方法はどのような形が望ましいのか、学校医を務める医師に聞いた。
正木クリニック 正木初美院長:
心尖部という心臓の雑音を聞く場所があるんですが、そこがちょうどブラジャーのところなんです。1人1人ブラジャーを上げて…だと手間もかかりますし、しっかり聞きにくい。ブラジャーを外して下着も外して体操服だけになってもらって、順番を待って、順番が来たら体操服を上げてもらうっていう感じにしてます
(Q.上半身裸にならなくても、体操服を上げることで対応できる?)
私はそれでいいんじゃないかなって思います
文部科学省は小・中学校の健康診断について、プライバシーへの配慮を含む実施方法を丁寧に説明し、児童生徒や保護者の理解を得るよう通知しているが、国としての統一ルールは設けていない。
誰もが納得して受けられる健診の在り方へ、今、議論が求められている。
■学校健診 上半身裸の理由は?
京都府医師会による2019年の調査では、京都市を除く公立の小中学校259校のうち、男女共に上半身裸で健診していたのは小学校で71パーセント、中学校で32パーセントという結果だった。
この調査に京都市が入っていないのは、京都市内の小中学校の100パーセントが、上半身裸で健診しているためだ。
上半身裸での健診を受けた人たちからは、「ここまで脱ぐ必要がある?」「もはや性暴力」といった声も上がっている。
こういった声に対して、健康診断を行っている側の京都府医師会は「脱衣でないと疾患を見逃す恐れがある」としている。
医師が学校健診で何をチェックしているのか、学校医を務める正木クリニックの正木院長に聞いたところ、肌の変色やアトピー・発疹といった疾患や、虐待の痕や外傷の有無ということでした。また心音は、下着を着用していると聞き取りづらいということだ。
中でも一番、医師がチェックしたいというのが、背骨が曲がってしまう脊柱側弯症。全体の8割が特発性側弯症で、そのほとんどが11歳以上の女児だそう。
小学4年生~中学3年生が進行しやすく、早期に発見できれば軽度の治療で済むものの、見逃して悪化した場合、呼吸器などにも影響が出てくるということだ。
玉木院長は学校健診について、「上半身裸が理想だが、体操服着用(下着なし)が現実的」だと話す。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月22日放送)