『世界に衝撃!! 独撃破弾 浅野 ドーハの歓喜』(デイリースポーツ)
阪神じゃない! サッカーだ!
プロ野球の日程が終了して阪神の試合が無いことも理由だろうが、これは快挙ではないか!? というのも前日の紙面を見てみよう。他紙はすでにドイツ戦に夢中でそわそわしていた。スポニチなどは「いざ日独激突 注目選手はどいつだ」と興奮のあまりダジャレをかましていたほど。しかしデイリーは『岡田監督 オフもサバイバル 紅白戦でレギュラー固める』であり、阪神で当然という雰囲気だった。そんなデイリーが「ドーハの歓喜」ときたのだから大切に保存しました。
デイリーはコスタリカ戦翌日も『痛恨黒星で運命の12・2スペイン戦へ 森保日本 勝て!!』と檄を飛ばした。
ワールドカップの解説になぜか王貞治
盛り上がるワールドカップ。これで思い出したのが1990年のイタリア大会だ。あのとき決勝戦をNHKが張り切って中継していたのだが、ゲストは王貞治さんだった。サッカーの大一番に元プロ野球選手……。
これには「ワールドカップを中継するのだからゲストは世界の王だろ」とか「野球の王さんを引っ張り出せば少しはサッカーも見てくれるだろう」というNHKの狙いをひしひしと感じた。実際に試合中にアナウンサーが「王さん、このプレーを野球で例えると?」という感じで何度も尋ねていて、あの危なっかしさは今も覚えている(王さんは困惑しながらも真摯に答えていた記憶がある)。
それほど当時の日本ではサッカーの存在感はまだ野球ほどではなかったのだ。それが今や……。90年の大会で優勝したのは「西ドイツ」。あれから32年、ワールドカップで日本がドイツを破るなんて感無量というかしみじみします。