美山 高校生のときに、『うたの☆プリンスさまっ♪』ってアニメが流行っていて。あるとき、友だちがそのアニメのドラマCDを全部文字起こしして、台本を作ってきたんですよ(笑)。それを持って録音機器のあるカラオケに行って、ふたりで声優ごっこ遊びをしていました。それがすっごく楽しくて!

 先ほどもお話ししたように、小さいときからずっとアニメが大好きでした。でも、お仕事として声優にチャレンジしてみたいなと思ったのは、そのときからですね。それから、いろいろな人に「声優のお仕事をやってみたいです」と言って回ったんです。

 

――そうしたら、チャンスが巡ってきたと。

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美山 はい。初めて本格的に声優のお仕事をしたのは、2012年に公開した『ももへの手紙』というアニメーション映画でした。そこでアフレコの難しさと楽しさを知りましたね。

 録音しているときはいい感じにできたかなと思っても、実際にアニメを見ると、なんだか自分の声がイメージと違っていて……。すごく悔しかった。でも、それ以上に楽しくて、もっと勉強したい、もっと上手くなりたいと思いました。

 そんなときに、事務所から『エンドライド』(2016年放送、日本テレビ系)というアニメのヒロイン役を決めるオーディションの話をいただいて、チャレンジすることにしたんです。

声優を始めてお芝居に対するモヤモヤが吹き飛んだ

――オーディションの結果は?

美山 合格しました! 俳優ではなく、声優としてオーディションに受かったのが初めての経験だったので、ものすごく嬉しかったですね。

 ドラマや舞台の世界では、今までの「美山加恋」という俳優としてお仕事が決まるわけですけど、声優はほぼ実績のないゼロからのスタート。「美山加恋だからじゃなくて、あなたの声がよかったから、あなたのお芝居がよかったから」と言ってもらえた気がして、これまでのお芝居に対するモヤモヤが一気に吹き飛びましたね。

 

――新しいことでも恐れず挑戦するエネルギーがすごいですね。しかも、挑戦した結果うまくいかなかったとしても、その悔しさをモチベーションに変えてしまう。

美山 もともと新しいことにチャレンジするのが好きな性格ではあると思うんです。でも、もっとチャレンジをし続けないと、と思うようになったきっかけがあって。

 ある舞台を始める前、いろいろなドラマで活躍するベテラン俳優さんとお話をさせていただく機会があったんです。私が「今度舞台に挑戦するんです」と伝えたら、「若いうちにたくさんチャレンジをしなさい」とお話ししてくださいました。