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《衝撃の小説家デビュー》バイク川崎バイク(42)はなぜ一発屋で終わらなかったのか「大物作家吉本ばななを“ばな姉”と…」「初代編集者はインディアンス田渕」

2022/12/16

genre : エンタメ, 芸能

note

青春の光・森田がnote小説に「ケチつけにきた」

――いいコメントばかりですね。「この短編面白す」「面白かったです」「才能ありますね」「ネタはそこそこ興味ある程度だけど、ブックは絶対買う」とか……。あ、さらば青春の光・森田哲夫さんも書き込んでいますね。

BKB あいつはケチつけに来てるだけです(笑)。……あぁ、こんな感じやったんや。自分でも忘れてました。コメント数で、どのショートショートが評判よかったかわかりますね。で、コロナ禍になって緊急事態宣言で劇場も閉まってたんで、せっかくやからちゃんと書こうと思って、毎朝8時19分に1作ずつnoteに上げるようになったんです。

 実は「あつまれ どうぶつの森」も並行してやってたんで、1日に森5時間、小説3~6時間っていう感じで過ごしてました。

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©文藝春秋

――そのときも田渕さんから意見をもらっていたんですか?

BKB いや、トレンディエンジェルのたかしに読んでもらってました。たかしは本をあんまり読まないんです。だから、あいつが読めたらみんなも読めるっていう指標にしてました。で、毎日1本、小説を投稿していたらTwitterでバズって、本も出してもらえてって、とんとん拍子にいった感じでした。

 普通は小説を書きたいと思っても何から始めていいかわからないじゃないですか。でも僕の場合、読んでくれる芸人仲間がすぐそばにいました。しかもその仲間には本好きも多いですし、オチが大事で起承転結にこだわる職業やったからこそ、より高いレベルでいろんな意見をもらえたなって。そこは大きかったと思います。

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――BKBさんは単独ライブで長尺のコントを作っていたりもされていますよね。日頃から物語を考える習慣もあった。

BKB それは絶対にありますね。あと、カッコつけることを意識してました。「芸人がこんなん書いて……」って言われる可能性もありましたけど、クサい台詞くらいのほうが小説っぽいじゃないですか。やから、最初は今まで読んできたような小説っぽい言い回しを真似してみたりして。例えば「目覚めると、そこにはめいっぱい黒が広がっていた」とか。これ、暗い部屋のことを言うてるだけですけど(笑)、言い回しを少し変える練習をやってましたね。

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