文春オンライン

2022/12/16

ヒロイン役・福原遥は「気遣いの人」

――まるで、プロファイリングのような作業ですね。

広里 料理によって人物に厚みを持たせたいという思いが、常にあります。やっぱり朝ドラって、独特ですよね。毎日、半年間観られるものだから、できる限りリアリティにはこだわりたい。視聴者の皆さんにとって朝ドラは生活の一部だと思いますし、登場人物にとって「食事」は日常のひとコマ。だから、食べたり作ったりするシーンで悪目立ちしない、「誰が見ても一目でわかる料理」を目指しています。「これ何だろう」「いったい何を作ってるんだ?」って一時停止しないとわからないような料理は、できるだけ避けたいですね。

宮崎の航空学校学生寮から久しぶりに帰省する舞を迎えるめぐみは、ごちそうを用意する ©NHK
舞のためにめぐみが作ったばら寿司、鯛のお造り、ローストポーク、かぶと塩昆布のサラダ ©NHK

――『舞いあがれ!』の現場の雰囲気はいかがですか。

広里 すごく仲がいいんですよ。毎作品のことなんですが、スタッフ・俳優さんも含めて、家族みたいな感じ。それに、舞ちゃんの笑顔を見ていたらもう、母親の気分になってきますよね(笑)。シーンに影響のない範囲で、「今日は寒いから、お味噌汁にちょっと多めに生姜を入れようかな」とか、「外食ばかりが続いているかもしれないから、野菜がたっぷり入った具沢山のお味噌汁にしよう」とか。そういったことを、ついつい考えてしまいます。

 祥子さんのハンバーグソースもそうでしたが、俳優さんの動きや仕草に、いつも刺激を受けています。ヒロイン役の福原遥さんは、本当に「気遣いの人」ですね。あんなに毎日撮影が大変なのに、共演者の皆さんにはもちろんのこと、私たちスタッフにまで気を配ってくださる。こちらも全力で応援したい気持ちになります。「この子を倒れさせてはいけない」「なんとかクランクアップまで元気に過ごしてもらいたい」という一心で料理を作っています(笑)。そういう、「良い影響」が循環する現場だと思いますね。

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