「ジュリー社長には足りないものがある」
60年代後半にはフォーリーブス、70年代には郷ひろみ。80年代にはたのきんトリオ、シブがき隊や少年隊、そして光GENJIなど次々と「男性グループ」をデビューさせスターダムに押し上げてきた。まさに姉弟で立ち上げ、育て上げてきた帝国だったのだ。
「一般の少年たちのなかに煌めくものを見出すジャニーさんの眼力、そして彼らをプロデュースする類まれな能力は他の追随を許さなかった。もちろんその光の陰に、少年へのセクハラという問題も明るみに出たこともあったのは確かです。
しかし、ふたりが亡くなりメリーさんの愛娘である藤島ジュリー景子が社長の座を継いだいま、多くの足りないものがあるということが露呈しているんじゃないか。例えば、ジュニアを含めたタレントや社員といった身内からの信頼感。そして社長自らのプロデュース力といったものです」(同前)
「滝沢の指導力」をいち早く見抜いたジャニー氏
喜多川姉弟が作り上げた帝国を2019年9月に継いだのは「身内」であり、その年に副社長となったのは滝沢秀明。だが、滝沢は先日その座から降りてしまった。
「自らの名を冠にした毎年の舞台『滝沢歌舞伎』でも知られるように、滝沢は演出力・プロデュース力、そして後輩やジュニアたちへの指導力に優れていました。それを早くから見抜いていたのがジャニーさんです。多くの場面で『これはタッキーがやりなよ、まかせるよ』と全幅の信頼を寄せることでその才能をさらに伸ばしていました」(芸能デスク)
ジャニー氏の独特な、「少年たちの育て方」については筆者も直に目撃したことがある。20年前のハワイ・ワイキキでの数日間だ。
毎年、ジャニー氏は夏休みに10名前後のジュニアたちを連れてアイドル誌合同の「取材旅行」としてハワイを訪れていた。引率するオトナはジャニー氏ただひとりだ。