親の年齢
現代の日本社会においては、「年齢」や「就労状況・職種」が年収に大きく影響する傾向にある。では小学校受験家庭の父親や母親の年齢は、どのような状況なのであろうか。
図3-2は小学校受験家庭の父親の年齢、図3-3は母親の年齢を示したものである。
父親の年齢が40歳以上の家庭がおよそ6割(全体の58.6%)に及んでいる。この年代の子どもをもつ家庭としては、父親の年齢が高い家庭が多いのではなかろうか。小学校受験家庭の世帯年収の高さには、こうした父親の年齢の高さが少なからず影響していると思われる。
ただし本調査を実施した当時の国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、サラリーマンの平均年収は、「40~44歳」617万円、「45~49歳」663万円、「50~54歳」670万円であり、小学校受験家庭の世帯年収の高さは、父親の年齢の高さによるものだけではないことがわかる。
他方、母親の年齢が40歳以上である家庭も全体の35.7%に及んでいる。調査対象児のおよそ7割が第1子であること、厚生労働省の当時の「人口動態調査」によれば35歳以上で出産している母親は全体の4分の1程度であることをふまえると、この年代の子どもをもつ家庭としては、母親の年齢が高い家庭が多いものと思われる。
親の就労状況・職種
続いて、小学校受験家庭の就労状況や職種に目を向けていこう。
まず父親の就労状況を示したものが次頁の図3-4、母親の就労状況を示したものが図3-5である。
父親が「パートタイム勤務」や「無職」の家庭は皆無に近く(全体の0.3%)、「フルタイム勤務」の家庭が4分の3程度(同75.2%)、「自営」の家庭が4分の1程度(同24.5%)を占めている。
他方、母親は「(就労経験の有無を問わず)無職」の家庭が過半数(全体の57.4%)を占めているものの、母親が就労している家庭も4割以上(同42.4%)に及んでおり、「フルタイム勤務」の家庭も2割弱(同18.0%)いる。こうした母親の就労状況も、家庭の世帯年収の高さに影響しているだろう。