(2)出身高校のタイプ
では小学校受験家庭の親はどのような高校を卒業して、大学・短期大学・専門学校といった高等教育機関に進学したのだろうか。高等教育機関に進学した親を対象に、卒業した高校のタイプについて、その高校を卒業した生徒の進路傾向に着目してみていく。
父親の出身高校タイプを示したものが図3-11、母親の出身高校タイプを示したものが図3-12である。
父親の出身高校タイプは、「国公立・難関大学への進学校」が4割以上(全体の43.2%)を占めており、「大学への進学校」(同28.2%)を合わせると、いわゆる「進学校」出身者が7割を超えている。他方、母親の出身高校タイプは、「国公立・難関大学への進学校」は4分の1程度(全体の26 .5%)であるが、「大学への進学校」(同35.3%)を合わせると、「進学校」出身者が6割を超えている。
「進学校」の高校出身者が多数
先ほどの結果と考え合わせると(図3-8および図3-9参照)、小学校受験家庭では両親ともに最終学歴が高いだけでなく、「進学校」の高校出身者が多いといえるだろう。彼らが大学受験をした時代には、国公立大学はもちろん私立大学でも「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」が現在ほど広まっていなかった。彼らの多くが「進学校」出身であることをふまえると、浪人をしてでも、「一般選抜」により難易度の高い大学に入学した親も少なくないのではなかろうか。
調査概要
・実施時期: 2009年6月中旬から7月中旬(一部の対象者は2010年1月)
・調査対象: 国私立小学校を受験予定の年長児をもち、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)および関西圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)に在住する家庭1667件。
有効回答数297件(有効回答率17.8%)。回答者の56.6%が「私立小学校のみ」、29.5%が「国立・私立小学校を併願」、13.9%が「国立小学校のみ」を受験予定。
・調査方法: 小学校受験を目的とする幼児教室5校(10教室)を通して、質問紙および返送用封筒を配布し、後日、幼児教室を経由せずに、直接、返送するよう依頼した。
図版作成:キンダイ