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「太賀君がすごく僕っぽい」「井川遥さんの演技を見て反省」…松尾諭が語るドラマ『拾われた男』

source : 文學界

genre : エンタメ, 読書, 芸能, テレビ・ラジオ

note

妻とゲラゲラ笑いながら繰り返し見た「好きなシーン」

――ドラマの中で、松尾さんが特に好きなシーンはありますか。

 思い返すと好きなシーンばっかりですね。あえて言うと、2話目の戦争映画の撮影で、先輩俳優役の水澤紳吾くんを太賀君が「死なないでくれ」って揺さぶり、それを助監督役の山中崇くんが「もっと揺さぶれ」と煽るシーンは、妻とゲラゲラ笑いながら何度も繰り返して見ました。そこから告白して振られるっていう流れもすごく良かったし。

 もう一個は4話目の神社のシーンです。太賀君が沙莉と元カレを残して、ずっと寒がってる女の子とか謎のお姉さんと家に帰る。僕の記憶にある映像と近しいのに、すごくコミカルになっていて。前半の山場みたいなところかなと。こうして喋っていくと、あそこもあそこもってなるので、これくらいにしときます。

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©️文藝春秋

 あと、好きなシーンともまた違うんですが、6話で松戸諭が撮影で京都に行って、恋人にプロポーズしようとしているのに女優さんに感情移入してしまうところ。妻がSNSでエゴサして色々教えてくれるんですけど、あそこは松戸諭っていうか松尾諭がすごく叩かれて、奥さんを推す声が増えたから、妻がすごく喜んでました。全くの作り話とも言えないのであれですが、僕のこと嫌いになった人がいるらしいので、それはちょっと意外というか、残念です。

思っていた以上にすごい作品に

――これからドラマを見る方、また最終回を見る方に向けて、一言お願いします。

『拾われた男』がドラマ化されると決まった時、自分自身でも見たくなるドラマにしてほしいなと思っていたんですが、思っていた以上にすごい作品になりました。こんなに最上級の俳優さんたちとスタッフさんが集まって、これだけ丁寧に作品を作ることができたので、一人でも多くの方に見ていただきたいと自信を持って言えるドラマになったと思います。

 僕は原作者なのであんまり説得力がないと思うんですけど、一回それは忘れてもらって、まず見て欲しいし、見たら友達とかに教えてあげてほしいですね。NHKではもう最終回ですが、ディズニープラスではいつでも見放題なので、ぜひ入会していただいて。そしてドラマは原作を脚色しているので、ぜひ原作も読んで答え合わせしてもらえるとありがたいです。