キリスト教はギャンブルを禁止しているのでは?
この建物は2013年まで“パチンコハママツ”として営業していたこと。16歳でクリスチャンになったという榊山牧師は、以前は浜松駅前の公共施設を借り、ライブチャーチの教会として礼拝を行っていたこと。しかし、毎週機材を運び込んでは運び出す必要があり、大変な作業となるため、教会として使える物件を探していたこと。そんな時に出会ったのが、このパチンコホールだったということ……。次から次へと驚きの新事実を語ってくれる。
榊山牧師は、この物件を初めて見た時「教会にピッタリだ!」と感じたという。ホールには柱がなく広い空間があり、会場全体に一体感がある。防音もしっかりしており、広い駐車場があるのも魅力的だった。購入後は、信徒も一緒になってパチンコの設備を撤去したり、十字架を設置するなど、自分たちの手で教会を作ってきたのだとか。
しかし、パチンコ店居抜きの教会はこれまで見たことがなく、そもそもキリスト教はギャンブルを禁止しているのではないか。疑問をぶつけてみると、榊山牧師は、「私はパチンコなどのギャンブルはしませんよ」と断った上で、「教会は共同体であり、集まる場所です。建物が何であったかよりも、人が集うこと、中身の方が大切なのです」と語る。
格式のある教会を新たに建設するのではなく、パチンコホールを居抜きで教会にしてしまうのも、牧師さんがラフな格好で礼拝を行うのも、全ては外観や形式にとらわれず、内容を重視した結果なのだと感じた。
そして、気になっていたバンド演奏を伴う礼拝についても聞いてみた。
榊山牧師によると、そもそも、教会には喜びにあふれる讃美歌があり、海外のプロテスタント系の教会ではゴスペルなどのクリスチャン音楽がよく演奏されているのだという。
信徒でバンドを組んで演奏しているが、ボーカルは、榊山牧師の妹である榊山路都さんが務めている。兄妹で教会を盛り立ててこられたというわけだ。日本ではライブ会場のような礼拝は変わっているように感じられるが、海外の教会ではよくある光景なのかもしれない。