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色んな里親さんに出会って交流できる「里親サロン」

――お2人は、今年の2月に里親として正式に登録されました。登録を目指して動き始めた昨年秋からはどういったスケジュールだったのでしょうか。

塩崎 10月に3回研修を受けたあと、家庭訪問が1度ありました。1部屋ずつ児相の職員の方が見て回って、里子を受け入れるだけのミニマムな条件が整えられているか、たとえば友達を泊めるときにはどこに寝かせてあげられるかなどまで確認されました。

里親になって初めて気づいた問題点もあった Ⓒ文藝春秋/撮影・山元茂樹

――正式に登録されたあとはどうでしょう。

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塩崎 特に登録後も変化はないのですが、任意の研修の案内がときどき来るので、何度か参加しています。たとえば里親サロンというところでは、里親が十数人集まってお互いの悩みなどをディスカッションする。そこに児相の職員とケースワーカーや保健師が入って聞いているというような感じで、大変勉強になります。

千枝子 色んな里親さんに出会って交流できる機会がありますね。ネットで毎月送られてくる情報を活用することで、横のつながりができつつあります。里親はどうしても難しい環境に置かれていた子供を預かることが多く、様々な悩みや課題が出てくるので、孤立したり1人で苦しんだりしないようにするための交流の場はとても重要だと思います。

学生時代は教育を学んでいたという千枝子さん Ⓒ文藝春秋/撮影・山元茂樹

児童相談所の人手不足で難しいマッチング

――その一方で、登録から9カ月以上が経った今も、お2人は里子とマッチングされていないと伺いました。どこに原因があるのでしょうか。

塩崎 最終的なマッチングを行う措置権を持っているのは行政、つまり児相です。なので、我々だけで決めることはありません。

 ただ、かねてより、登録したけれどマッチングがなかなか来ないという話は里親会の人に伺っていました。子供ができないから夫婦で話し合って決断して登録して、3年も待っているという方もいました。

――それは意外でした。てっきり、条件などが提示されているのかと……。

塩崎 一つ原因を挙げるならば、児童相談所の人手不足があると思います。僕らが住んでいる愛媛には、松山と新居浜と宇和島の3箇所に児相がありますが、そのうち50万人が住む松山の児相でさえ、里親担当の職員はたった1人で頑張っています。新居浜や宇和島には、専門の担当者は1人もいないと聞いています。