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「危険すぎる中国産食品」から身を守るために、食品の「加工度」を下げよう

『中国食品を見破れ スーパー・外食メニュー徹底ガイド』

2018/01/30

常温のまま輸送される野菜・肉類

 中国食品の汚染に関する問題は、残留農薬だけに止まらず、管理の問題もあります。生産から収穫、保管、流通によって消費者の手に届くまでの過程にも、問題を抱えています。たとえばコールドチェーンです。日本では、農家が収穫した野菜はすぐ予冷庫に入ります。やがて冷蔵トラックで運ばれ、スーパーでも冷蔵コーナーに並びます。生産地から消費地まで、100%のコールドチェーンが確立されています。

 中国には、こうしたシステムはありません。野菜も肉類も保冷庫のないトラックで長い距離を常温のまま運ばれていきます。保管も常温のまま。政府も収穫した青果物の30%、肉類の12%が、消費者の口に入る前に腐ってしまうといっています。野菜だけで、日本円に直せば年間何兆円もの無駄です。中国政府は2010年、コールドチェーンの必要性を訴え、整備をよびかけました。しかしコストと共に技術的な問題もあり、普及には時間がかかりそうです。

 中国から日本に輸入される野菜に玉ねぎやいも類が多い背景には、腐りにくいという理由もあるのです。

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©iStock.com

 日本が中国から輸入している食品を、私は次の4パターンに分けています。

・パターン1、生食用野菜、果実など。
 長ねぎ、にんじんなど、そのままの形で輸入するもの。

・パターン2、一次加工食材(乾燥・冷凍野菜・ペースト・塩蔵野菜など)。
 長ねぎや白菜を刻んで乾燥させたフリーズドライと呼ばれる製品が、これに当たります。カゴメのケチャップの原産地を見ると、トマトはアメリカ、スペイン、中国、チリ、トルコ、日本、ポルトガル、玉ねぎは中国、日本と書いてあります。

・パターン3、二次加工食材(味付け鶏肉・手羽先・味付け卵・練りものなど)。
 吉野家の焼鳥つくね丼は、鶏肉が中国産とありますが、現地でつくねの形に加工してから輸入しています(編集部注:現在、焼鳥つくね丼は販売終了)。だから販売価格を安く抑えられるのです。このとき、食材には調味料が添加されることになります。

・パターン4、多次加工食材「モジュール加工食品」(野菜エキス・ポークエキス・調味料など)。
 日清のカップ麺、ラ王には、「原材料の主な原産国」と「最終加工地」の表があります。「濃熟とろ豚骨」の場合、スープのうちポークエキスの主な原産国は、日本、中国、スペイン、デンマーク、スウェーデン、チリ、アメリカ、カナダ、メキシコであり、最終加工地は日本、アメリカとなっています。

 パターンが1から4に向かって進むほど、食品には加工が加えられ、元と違う形状になっていきます。現地で加工すればコストが安くあがるし、重量が減るので輸送コストも安くなるわけです。しかし、このように原形をまったく留めていない食品に加工されてしまうと、一般の消費者には詳しい中身などわかりません。透明度が薄れていきます。