「いやこれ、レビューを書きたくなりますわい。バターの香りが信じられないほど高く、口に入れる前に鼻が喜ぶ。食感はサクサクで中はしっとり」
女優・吉田羊さんが感動した「差し入れ」を初のエッセイ本『ヒツジメシ』より一部抜粋してお届けします。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
◆◆◆
俳優で良かった
俳優という仕事の現場には、“ケータリングコーナー”と呼ばれる共有の休憩コーナーが設けられております。そこにはいつも様々なお菓子がズラリと並べられており、撮影やリハーサルの合間、誰でも立ち寄ってつまむことのできる憩いのスペース。
しかし個人的にいつも思うのは、大の大人が仕事中にお菓子をつまんで怒られないなんて、俳優の世界だけじゃなかろうかと(笑)。一般企業なら、「あいつはいつもサボってる」と上司からチェックされますよね。嗚呼、俳優で良かった(笑)。
ただ、1クールのレギュラー出演で、そこそこの登場率となると、撮影日数も自ずと増え、そうするとケータリングコーナーに立ち寄る回数も増え、結果普段よりも間食が増えて体重も増える、という負のスパイラルに陥っていく危険性もあり。嗚呼、俳優って要自制心(笑)。
しかしながら、その自制心を脆くも崩れさせてしまうのが、俳優や関係各社からの「差し入れ」。なかでも、グルメな俳優さんからの差し入れはインパクト・味ともにため息が出るほどの逸品が多く、次回、自分が差し入れる際の参考にさせてもらうこともしばしば。もちろん私自身も、差し入れる時には毎回真剣勝負。というわけで、今回はその「差し入れ」に、私がこれはいい! と思ったふたつをご紹介。