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「面倒見はまだか」「なんか重いの出してよ」かつての留置場内にあった、ヤクザと警察官の“持ちつ持たれつ”なシステムとは《元ヤクザの牧師&ヤクザ研究者対談》

「面倒見はまだか」「なんか重いの出してよ」かつての留置場内にあった、ヤクザと警察官の“持ちつ持たれつ”なシステムとは《元ヤクザの牧師&ヤクザ研究者対談》

genre : ライフ, 社会

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進藤 昔のヤクザはカタギを無闇に襲わないという暗黙のルールがありました。最近はなりふり構っていられないようになって崩れつつありますが、一応のルールというか最低限の秩序を感じることはまだありますよね。ヤクザという組織は自分も含めて偏屈なところがあり、世の中のルールは守らないかわりに自分たちのルールだけは何があっても守る特殊な世界なんです。だから警察にとっても行動が読みやすい部分がある。でも半グレが守るべきルールがないというのは、怖いですね。

 

「準構成員数」には起業家やYouTuberまで入っている?

廣末 警察がアンダーグラウンドを把握しきれていないのではないかということは、本当に心配です。ヤクザではなく半グレなどを含む準構成員数という統計データもありますが、そこには違法賭博店の客まで片っ端からカウントしているという話もあります。要するに芸能人ややんちゃな起業家、YouTuberまで入っている可能性がありますが、それは準構成員ちゃうでしょうと(笑)。

進藤 半グレと警察の関係はどうなっているんでしょう。警察とヤクザの関係は、変な話ですがかつては人間味がある世界でした。逮捕された時などにヤクザはマル暴(暴力団対策部署の警察官)と深く関わるようになり、自分がいた組織の歴史について教えてもらったりしていました。

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牧師として、聖書の教えを説く進藤氏 ©文藝春秋

廣末 そういった交流から、警察も情報を得て事件を摘発していくわけですからね。今は警察に情報が集まりにくくなっているともいえると思います。

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