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《今オフ最大のサプライズ》中日・阿部寿樹トレードは「高橋周平と天秤にかけた」 立浪監督溺愛の“将来の主砲”のカゲも…

2022/12/22
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「確かにドラフト5位の阿部に対し、高橋が1位というのは大きかった。2位の京田とともにドラフトで上位の2選手を放出すれば、ドラフト戦略や育成方針を疑われかねない。球団の体裁を保つために高橋は出せなかったようだが、それだけではない。

 ある時期に高橋は『立浪監督の指導方針に全面的に従う』と誓ったようだ。これも阿部放出の決め手になった。阿部は京田とは違い、監督と確執があったわけではないようだが、結局監督は好き嫌いでトレードを決めたように見える。本人(立浪監督)は自分が辞めた後でも勝つチームにすることが使命としているが、こういうトレードは禍根を残すのではないか」(同前)

阿部寿樹 ©時事通信社

京田は立浪中日へ宣戦布告「やり返しますよ」

 京田はトレード発表後、親しい関係者に報告した際に「絶対にやり返しますよ」と決意を語っている。入団1年目に新人王に輝き、昨季まで5年連続で100試合以上に出場した不動の遊撃手だった自負があった。立浪監督の就任を契機に野球人生は一変しただけに、“意趣返し”には並々ならぬ思いがうかがえる。

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入団会見を終え、ポーズを取るDeNAの京田陽太 ©時事通信社

 中日は今季、DeNAに6勝18敗1分けと大きく負け越した。その他のセ・リーグ4球団とはほぼ互角に渡り合ったため、DeNAとの対戦成績が最下位に直結したと言える。そのチームに横浜スタジアムに好相性の京田が加わる。

「過去に同一リーグでトレード移籍した選手は特に古巣との対戦に燃えるケースが多かった。京田は目の色を変えてくるだろう。うちは今季以上にDeNAにカモにされるかもしれない」(中日担当記者)

 立浪監督はチームの低迷打破のため、このオフに自身の責任で大なたを振るった。その成否は全て来季の成績次第。情実で“人事”を行えば、手痛いしっぺ返しを食らうのは球史が証明しているのだが……。

《今オフ最大のサプライズ》中日・阿部寿樹トレードは「高橋周平と天秤にかけた」 立浪監督溺愛の“将来の主砲”のカゲも…

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