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“日暮里のそば打ち名人”が生み出した「純白の米麺」を豚バラたっぷりのつけ汁で…新食感「米切り麺」を食べてみた!

2023/01/03

冷や麦、そうめんとは異なる食感

 さっそく「米切り」を何もつけずに食べてみた。これはうまい。表面はしっとりとしているのだが、コシもある。歯ごたえもある。そして艶がある。しかし、冷や麦やそうめんともまったく食感が異なる麺だ。冷麺のような硬い麺でもない。ビーフンのようなぼそっとした感じもなく、フォーのような透き通った姿でもない。これは驚いた。初めて食べる麺の味である。

これが「米肉せいろ」朱色のせいろが鮮やかである
ぴかぴかに艶のある「米切りの麺」

 びっくりして上中さんをみると、「してやったり」と言わんばかりににこっと微笑んだ。

「この麺すごいでしょ。この麺の太さ、茹で時間はすごく試行錯誤した結果、導き出したんです。これより長く茹でると稲庭うどんみたいな透き通った麺になっちゃうし、太いとコシがうまく出てこないんですよ」と上中さんは教えてくれた。

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「米切りの麺」はつけ汁を良く持ち上げる

 なるほど。つけ汁に「米切り麺」をつけて食べてみる。麺はつゆがよく絡む。濃厚な出汁とやや甘めの返しの味が絶妙である。5種類の出汁を使ったつゆは化学調味料を一切使用していない。

「米肉なん」を追加注文

 あっという間に食べ終えてしまった。そこで「米肉なん」を追加注文してみた。こちらも5分で登場した。温かい麺の食感はまた冷たいのとまったく違う。ぷりっぷり、そしてもちもちした麺である。温かい麺も抜群にうまい。

「米肉なん」の麺も秀逸
途中から自家製ラー油をつけていただく

 この米粉100%の「米切り麺」は幾つかの特徴があるという。まず、茹で置きしてもほとんど伸びない。「むかし給食でよく食べたソフト麺のように、学校給食で提供してもおいしくて、しかも安心だ」と上中さんは言う。