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「日本酒」でつなぐ“珍品そば” 亀戸「養生料理 高の」で出会った「酒繋ぎ蕎麦」の味は…?

2022/07/19

genre : ライフ, グルメ

 亀戸にある創作蕎麦屋「養生料理 高の」は独創的な出汁を使う店として、一部の蕎麦愛好家に人気となっている隠れ家的な店である。従来のそば屋のようなメニューはなく、ゆったりとくつろげる落ち着いた田舎にある創作和食の居酒屋のような空気が流れている。

亀戸にある創作蕎麦屋「養生料理 高の」
普通の蕎麦屋とは一味違うお品書きが並ぶ

 最初に訪問したのは2018年9月。「蕎麦前(お酒)が飲める普通のそば屋だろう」と高を括っていたのだが、その料理のクオリティの高さ、唯一無二の出汁に圧倒されてしまった。

 まず「丸丸素揚げ」は、からあげグランプリで金賞を受賞した人気商品で、お取り寄せには相当時間がかかるという。スパイシーにカリッと上がった鶏肉塊が実にうまい。

人気の「丸丸素揚げ」

唯一無二の出汁は、滋味深い味だった

 そして、店主の高野定義さんに教えてもらった「高の」の出汁はユニーク。蕎麦湯に大豆を入れて煮込み、シイタケやなめこ、節系の具材を入れて出汁をとる。それを注ぎ足して使うのである。その出汁に自家製返しを合わせ、辛汁を作っていた。その時は「もり蕎麦」をいただいた。挽きぐるみで黒い田舎そばにミニ青梗菜、厚揚げ、玉こんにゃく、しいたけがのり、「とろろかけ玄米ごはん」と薬味がつく。そば猪口に入った辛汁を見て驚いた。つゆの中に煮込まれた大豆やシイタケが入っていた。その味は滋味深くふくよかな味だった。

 その後もそば粉を使ったたこ焼きならぬ「江戸焼き」などを考案するなど、高野さんは料理の開発に余念がなかった。

独創的な「高の」の出汁
2018年訪問時の「もり蕎麦」
煮込んだ大豆やシイタケが入った辛汁に驚いた

 そんな「養生料理 高の」が2022年7月で営業10周年を迎えた。そこで、7月最初の土曜日に訪問してみた。お店は亀戸二丁目団地の1階にある。亀戸駅から歩いて7分程度。

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