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「第一印象は変な匂い」「女性を描くのは苦手」…それでも“こづかい万歳の妻”が漫画家・吉本浩二(49)の才能と人柄にベタ惚れした理由

こづかい万歳の妻インタビュー #1

『モーニング』(講談社)で連載中の『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~』は、“おこづかい”をテーマにした異色のコメディ。作者の吉本浩二がこづかい制で暮らす人々を取材し(なんと毎月ゼロ円という猛者も!)、ドキュメンタリー風に描いた漫画だ。

 読者のあいだで特に人気を集める登場人物が、“吉本先生の奥さん”こと作者・吉本浩二の妻である。誘惑に弱く、つい無駄遣い&お菓子の食べ過ぎをしそうになる夫と、冷静な妻とのやり取りも『こづかい万歳』の大きな魅力。夫が『踊る!さんま御殿!!』に出演した際は、カルピスの濃さをめぐる妻との攻防を明かし、なんと「踊る!ヒット賞!!」を獲得した。

「こづかい万歳の妻」として今年9月に開設したTwitterアカウントも好評な奥さんの実態に迫った。(全2回の1回目/後編を読む)

「無類の酒好き」でも知られるこづかい万歳の妻さん ©文春オンライン

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「こづかいの漫画を連載する」と聞いたときの本音

――本日はよろしくお願いします。漫画とはちょっと雰囲気が違いますね。

こづかい万歳の妻 そうですか? メガネをかけているのが同じくらいですかね。

――あと、漫画の中だと結構怒っていらっしゃるから……。

こづかい万歳の妻 それよく言われるんですよ(笑)。漫画の中の私は、夫に怒っているか、お酒を飲んでゴキゲンになっているかですよね。『こづかい万歳』を読んでくださっている方々に「怒りっぽくてケチな飲んだくれの女」と思われているんじゃないかと想像したら、ちょっと辛い(笑)。

『こづかい万歳』では怖く描かれがち ©吉本浩二/講談社

――吉本先生のお菓子を食べる量などを厳しくチェックしていますよね。お菓子をめぐる激しい攻防は、ノンフィクションですか?

こづかい万歳の妻 そのへんは事実です。お菓子は全部私のテリトリーで管理しているので、私のOKがないと夫はお菓子を食べられない仕組みになっています。自分でもちょっと厳しいかなとは思いますけども……。

 読者の方からは「一生懸命働いている夫に自由にお菓子を食べさせないのはひどい」という声もあるんですよ。そういうご意見があるのは当然だと思いますが、ただでさえ漫画家って健康が心配な職業なので、やっぱり「好きに食べていいよ」とはなかなか言えないんですよね。

――熱心な読者ほど、夫の健康を心配してのことだと理解していると思いますよ! 「こづかいの漫画を連載する」と吉本先生から聞いたときの感想はどんなものでしたか?

こづかい万歳の妻 まぁ、その、正直それって何がおもしろいんだろうと……。特に第1話は、夫がスーパーでお菓子を買うという個人的なエピソードですからね。彼のこれまでの作品とテイストが全然違いますし、どう転がるのか予想が全くつきませんでした。

 ただ、掲載誌が『モーニング』と聞いて、『クッキングパパ』と同じ雑誌に載るのかとミーハー心がくすぐられました(笑)。『モーニング』はメジャーな媒体ですから、ある意味で記念受験みたいな感覚というか、どういう結果になるとしても連載できた時点でまぁいいかと。

――それがまさかの既刊4巻全て重版。しかも吉本先生は『踊る!さんま御殿!!』に2度も出演を果たしました。暮らしが上向きになって、吉本先生の月2万1000円、奥さんの月7000円というこづかいの金額にも変化があったのでは? 奥さんの晩酌もゴージャスな感じになっているのでは……!?