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 さすがに香織さんは耐え切れず、トラブルの翌日、髙島氏の暴力を警察へ相談し、病院を受診した。当時の診断書には、顔面打撲症や脳震盪などの言葉が並んでおり、被害の凄まじさが見て取れる。

暴行の凄まじさが伝わってくる(香織さん提供)

 

 その後、香織さんは髙島氏に刑事告訴をする意思を伝えた。すると手のひらを返すように髙島氏の態度が一変したという。

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刑事告訴を出すと髙島氏が猛省し「籍を入れよう」

「『楽しくやってたのに、こんなことで終わらせたくない』『今後こういうことがないようにする』と、当時は髙島が心から反省しているように見えてしまった。その態度を見て、いざ離れることを考えるとまだ一緒にいてもいいかな……と心が揺らいでしまいました。

 さらに、その直後に、『年内に籍を入れよう』とハリー・ウィンストンの婚約指輪をもらったんです。髙島の親御さんも紹介してもらい、本格的に結婚を意識してしまいました。それで結局、その時は刑事告訴せず、彼の暴力に目を瞑ることにしてしまったんです」

 しかし髙島氏は変わることなくむしろエスカレートしていったという。口論の度に反社会勢力の名前を出し、香織さんの命が狙われているということを仄めかし始めた。

髙島氏との交際中、昼間は「愛してる」と甘い言葉を囁かれたが、夜には壮絶なDVが待っていた(香織さん提供)

「本当のヤクザとか輩とか呼んであげるからお前」

 命の危険を感じていた香織さんは、この頃から髙島氏との会話を録音するようになった。10月9日、この日も些細なことから言い合いになっていたという。以下は、髙島氏と香織さんの会話が記録されている音声の一部である。

髙島「本当のヤクザとか輩とか呼んであげるからお前、いろ。なめんな。ガキが」

香織「なんで?」

髙島「なんでって言うか本当にやったるわ」

香織「なんでそんなことするの? 意味が分からないんだけど」

髙島「お前、ガキがなめんな。ここまで俺のことを」

香織「そんなんでヤクザが動かないでしょ?」

髙島「動くよ。俺を誰だと思ってるんだ」

香織「髙島勇二」

髙島「そうだよ」

香織「なんで動くの? その人たちにとって何のメリットもないじゃん」

髙島「あるんだよ。俺は金と力を全部持っている」

香織「お金でなにするの?」

髙島「バカかお前。ほんまに。色々したるわ。お前本当になめすぎだから」

香織「なめてないよ」

髙島「やったるわほんまに」

 さらに、10月18日、実際に髙島氏と密接な関わりのあるX氏の名前を出し、「ヤクザで本物だから。●●(※暴力団名)だから」と、実在する反社会勢力と関わりがあるかのような発言をした。香織さんもX氏と面識があったため、余計に恐怖心を煽られたのだという。