「くじ目当て以外のお客さんから問い合わせがあるかもしれないので、電話は無視できません。私たちも情報を隠したいわけではなく、本当にわからないので、お問い合わせを控えていただけるとありがたいです……」
とにかく事前に伝えられることは何もない、とのこと。気長に待つのが吉だ。
30分近くレジでくじを選定する客
実際にくじの販売がはじまってからも、コンビニスタッフの苦労は続く。とくに“くじに真剣すぎる客”は売上にも影響を及ぼすという。
「レジが2台しかない店舗なので、くじ選定のために長時間滞在されるとレジが1台使えなくなってしまう。また、不正ができないように必ずスタッフが一人つくことになっており、お客さんがくじを引いている間はほかの仕事もできない。通常の買い物に来たお客さんが、会計を諦めて帰るのを何度も見た」(20代・男性)
「異常に時間をかけてくじを選ぶ客がいた。くじを触って『なにか違う』と首をかしげて箱に戻し、もう一枚……と、長時間くじを選びつづけた。その客はガラが悪く、絡むと面倒そうな雰囲気だったので注意できず、結局30分近くレジの前でくじ選び。
後ろの客もイラ立っていて、先方が帰ったあとに『あいつはなんなんだ』と、私に文句を言ってくるなど、周囲の不満も受け止めなければならないので困る」(30代・女性)
個数制限をしていないため、追加購入も可能だが…
前出の富田さんも、くじ引きに本気で臨む客に当たったときは「ハズレだ」と感じるという。
「その人は、選んだくじをじっくりゆっくりめくるタイプだったんです。場所をズレてもらうほどのスペースがなく、私はその場から離れられないし、もう1台のレジは休止中。最終的に長蛇の列になってしまいました」
めくる際のドキドキ感を存分に楽しんだものの、目当ての景品が当たらなかったのか、その場で追加購入を希望してきたそう。
「くじは引換券1枚につき引きたい枚数を口頭で聞き、会計をするというシステム。うちは個数制限をしていないので、追加購入も可能です。でも、追加購入を受け入れつづければ、後ろのお客さんをさらに待たせることになります。