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“一番の人気キャラではない158cmの像”が埼玉で完成…なぜ今も「15年前の深夜アニメ」で“日本初”の町おこしが生まれているのか?

2022/12/28

声が出せなくても来てくれる演者、「初めて」の事態にも対応してくれる郵便局…

 こうした背景で誕生した像ですが、そのお披露目となった12月18日のイベントからも、盛り上がりの理由が見えてきます。

 当日は、久喜市くき親善大使でもあり、柊つかさ役の声優・福原香織さんが出席。当日は体調の問題で声が出せない状況にもかかわらず、本人の希望もあって出席し、筆談でコメントを発表しました。また、お披露目イベントで乾杯の音頭は原作者の美水かがみさんが担当していましたが、これも実は、お披露目の式の直前に関係者がお願いをして、それを美水さんが快諾したものだといいます。

柊つかさ役の声優・福原香織さんと

 また、お披露目会の乾杯時に酢を使うことに対して不思議に思うファンもいたようですが、これは作品で登場した「バルサミコ酢」にひっかけたもの。その意図に気づいたファンからは芸の細かさに笑ってしまったという声も上がっています(このバルサミコ酢を出席していた梅田修一市長が乾杯時に飲んでむせる……という場面もありました)。

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「身長158センチ」にはこだわりが詰まっている

 ちなみに、全国の郵便局の敷地内にアニメキャラの像が立つのは「初めて」とのこと。当初は像製作の予算から130センチの像だったはずが、つかさの等身大(158センチ)にする案が浮上し、最終的に予算オーバーながら「等身大案」が採用されています。無理をするところは無理をしてでも、ファンが喜ぶツボを押さえる……という計らいもあったのです。

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