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“一番の人気キャラではない158cmの像”が埼玉で完成…なぜ今も「15年前の深夜アニメ」で“日本初”の町おこしが生まれているのか?

2022/12/28
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実は“一番の人気キャラ”ではない柊つかさの“不遇”

 そんな中で、どうして久喜市は今もうまく町おこしを行えているのか。今回の柊つかさの像の背景には、その理由が詰まっています。

 この柊つかさというキャラクターは、アニメに登場する神社に住む双子の姉妹の一人ですが、実は“一番の人気キャラ”というわけではありません。双子のもう一人・柊かがみというキャラクターの方が人気があり、実際にかがみの着ぐるみは、鷲宮地区のプロモーションに活用するため2014年に製作され、同地で活動しています。ところが、妹のつかさの着ぐるみは、作られてなかったのです(双子なのに)。

出番を待つ姉の柊かがみの着ぐるみ

 予算的な制約もあっての判断だったようですが、この「つかさは“不遇”」という空気感がファンの間でできあがっており、商工会はこれをうまく逆手にとっていきます。

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 2022年7月には、「つかさプロジェクト」と題して、つかさの着ぐるみを製作する費用を捻出するクラウドファンディングを実施。支援金として1人3万円、80口(総額240万円)を募ったところ、これが1日で目標金額に到達する“売り切れ”状態になりました。双子二人の着ぐるみがそろってイベントに出てほしいという、支援するための「理由」がファン心理に刺さったのです。

 そしてこれとは別に、観光協会が主体となってつかさ像を製作する動きも2021年から進められていました。これが、今回のつかさ像です。

12月の野外イベントにも多くの参加者が

 同じ「つかさネタ」で、商工会の関係者も「たまに間違う」というほど紛らわしいのですが、「つかさ像」は観光協会の案件、「つかさの着ぐるみのクラウドファンディング」は商工会の案件で、あくまで違うものです。

 実際、最初にクラウドファンディングの発表があり、着ぐるみのお披露目の前に突然像の話が発表される流れになったため、一部のファンの中には「着ぐるみは?」と“混乱”する人もいたようです。しかし逆にいえば、ファンにしてみればそれだけの驚きがある、「そこまでつかさをフィーチャーしてくれるのか」という「良い意味でサプライズ感のある企画」であったとも言えるでしょう(余談ですが、着ぐるみは大みそかの31日に発表される予定だそうです)。