「globe!? パークマンサーのためのニンジンじゃん!」
――ちょっと変わった売り方もしているそうですね。
パーク 見た目がちょっと変わっている「アーティストシリーズ」のことですかね。
例えばニンジンとかの根菜系は、土壌が硬いと、下に伸びていくときに枝分かれしていびつな形になってしまうことがある。「手」みたいな形になるから、「グローブニンジン」と呼ばれているんです。ほかの農家さんからそれを教えてもらったとき「globe!? パークマンサーのためのニンジンじゃん!」と思って。
味はおいしいのに、「野菜は真っすぐじゃないといけない」という固定観念があるから、あまり市場に出回っていない。でもオイラはそれに「アーティストシリーズ」という名前を付けることで、お客さんに楽しんでもらっていますね。ぶっちゃけ真っ直ぐ育てることができないだけなんですが(笑)。
――考え方が柔軟なんですね。
パーク 自然を相手にしていると、自分の力ではどうしようもないことがたくさんあるんです。
例えば富山で農業を始めて1年目のとき、梅雨が長くて。オイラの畑はもともと田んぼだったところを畑にしているから、雨が降ると水はけが悪くて、水が溜まってしまう。だからそのとき育てていたスイカは、すべて水に浸かって腐っちゃいました。
ほかの野菜でも、これまで失敗の連続でした。どんなに植える時期を考えても気候は読めないし、自然の力には敵わない。だから何かが起こっても、「このハプニングを楽しむしかない」と思えるくらいの柔軟性が身についたんですよね。
野菜を代わりに育てる新しいサービスを開始
――今年10月に「あぐりdeぱくり」という畑のサブスクを新しく始められました。具体的にどういったサービスなのか教えてください。
パーク お客さんに5メートル×4メートルの畑をお貸しして “オーナー”になってもらうサービスです。30種類くらいの野菜から植えたいものを直接ヒアリングして、オイラが代わりに育てます。
野菜が育っていく様子を現地からライブ配信するので、過程も楽しんでもらえる。「今日は苗を買ったよ!」「プランターに植え替えたよ!」というのを映像でお伝えするんです。そして無事育ったら、旬のタイミングで収穫してお届けする形になります。
――おもしろいサービスですね。