ハラスメントやいじめで家族を亡くした人に向けて情報発信
佳子さんによれば、最高裁での判決が確定するまでの道のりは長かったという。いまでこそ、職場でのハラスメントが話題になっているが、綾奈さんが亡くなった2012年頃は、過労死といえばワタミや電通で起こったような長時間労働によるものが中心と考えられていた。そのため、社会的にもなかなか理解されづらかったという。
佳子さんは、過労死遺族の団体である「全国過労死を考える家族の会」の交流会に参加するなかで、ハラスメントやいじめによる自死で家族を亡くした遺族が少なくないにもかかわらず、企業側が証拠を隠蔽したため裁判で敗訴しているという理不尽な状況を目の当たりにした。そして、自身の経験を公表することで、他の遺族やいまハラスメントに苦しみながらも働いている人々のためになってほしいと考えているという。
「これ以上遺族が増えてほしくはありませんが、もし過労死やハラスメント自死の遺族になってしまった場合、大切な家族を亡くした直後で辛いかもしれませんが、会社が証拠を隠滅してくるため、できるだけ早く動いてほしい」と話している。
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