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 アメリカ出身だという女性二人組は日本で英語講師をしているのだとか。

講師をしている女性たちも大晦日には羽目を外す ©文藝春秋

「日本に住み始めたのは1年前くらい。去年は新宿に行っていて、今年初めて渋谷に来ました。終電があるから帰るけど、祝祭の雰囲気を味わいたくて」

 ここで紹介した人以外にも外国人旅行客と思われる人は多くおり、街を歩いていると、さまざまな国の言語が耳に飛び込んできた。

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被り物で渋谷を訪れていた若者からの意外な言葉

 年越しの瞬間が近づいてくるにつれ、スクランブル交差点周辺に人がどんどん集まり始め、23時45分頃には「スクランブル交差点方面への侵入を制限する柵」が設置されることに。

©文藝春秋
年越しの瞬間が近づくとスクランブル交差点への侵入が規制された ©文藝春秋

 一昨年、昨年にはなかった措置で、カウントダウンイベントがなくとも、年末に渋谷に集まりたい人が数多くいることがうかがえる。警備を担当していた方に話を聞くと「今年はほんと多いですね。規制解除の判断も滞留の具合によるのでわからないです。全部上の判断に従ってやっているだけなので。すいません」とのことだった。

 そんな中、多くの人から写真撮影をねだられていたのが、この二人組だ。

着ぐるみの中は有名私大に通う大学生 ©文藝春秋

 さぞ、今回のような盛り上がるイベント事が好きな人たちなのだろうと推察しつつ声をかけると、被り物越しのボソボソとした声で意外な言葉が返ってきた。

「この格好はSNS時代における匿名性の具現化なんですよ」

 SNS上で注目こそされど、その注目の対象は被り物を被っているような、匿名的な存在に過ぎないのではないかというメッセージを込めており、それを現実世界で体現しているのだとか。

 しかし、続けて話を聞いてみると、「そんな主張もありますが、なんというか、一回来てみようと思って」とも。

 虎の被り物をした男性は、岡山から上京してはじめて渋谷のカウントダウンを体験している大学一年生で、普段は都内の有名私立大学で文学を学んでいるのだと語る。クリスマスに同じ被り物で来た時とは人の多さも、自身への注目度もまったく違うのだとか。