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「昔は湯婆婆が怖かったけど、今は共感しています」35歳になった千尋役・柊瑠美が出産後に『千と千尋』を観て“気づいたこと”

「昔は湯婆婆が怖かったけど、今は共感しています」35歳になった千尋役・柊瑠美が出産後に『千と千尋』を観て“気づいたこと”

柊瑠美さんインタビュー #3

2023/01/06
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 2001年公開のジブリ映画『千と千尋の神隠し』の主人公「千尋」役を演じたことで、一躍時の人となった女優・柊瑠美さん(35)。

 今年で芸能界入り30周年を迎える柊さんに、スタジオジブリとの関係や、これまでの芸能生活について話を聞いた。(全3回の3回目/2回目から続く

柊瑠美さん ©石川啓次/文藝春秋

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『ポニョ』アフレコ時に宮崎監督と石田ゆり子さんとお茶をして…

――柊さんは2001年の『千と千尋の神隠し』以降も、いくつかのジブリ作品に出演されていますよね。

柊瑠美さん(以下、柊) 2008年に『崖の上のポニョ』、2011年に『コクリコ坂から』、そして2020年には『アーヤと魔女』に声優として出演させていただいています。

――『千と千尋』はオーディションで出演が決まりましたが、その後の依頼はどのように来たのでしょうか?

 事務所を通してご依頼いただくことが多かったです。ただ、大学在学中にオファーをいただいた『ポニョ』は少し違っていました。

 その頃、学業に専念するためにお仕事を一時的にお休みしていたんです。そしたらある日突然、自宅に「スタジオジブリですが、瑠美さんはいますか」と電話がかかってきて。ちょうど「そろそろお仕事を再開したいな」と思っていたので、タイミングの良さにびっくりしました。

©文藝春秋

――宮崎駿監督から直接連絡が来るのでしょうか?

 いいえ。そもそも、宮崎監督と直接話したことはそんなに多くはなくて。アフレコの現場では、アドバイスをいただくのは音響監督からがほとんどでしたし、舞台挨拶でも同じ舞台には立っていても、会話をする場面はほとんどない。

 でも『ポニョ』のアフレコのときは、なぜか宮崎監督と女優の石田ゆり子さんと私の3人でお茶をしたことがありました。何を話したのかは忘れてしまったのですが、監督とゆっくりお話をしたのは多分そのときが初めてでしたね。当時は「すごいメンバーとお茶をしている」と緊張しました(笑)。

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