文春オンライン

駒澤大・大八木監督が最後につかんだ「本当の勝利」…箱根駅伝2023「細かすぎる名場面」復路編

2023/01/04
note

【9区】東洋大「その1秒をけずりだせ」が消えた?

西本 戸塚中継所の映像を見ていて気づいたことがあります。それは「マッシュルームカット多すぎないか?」ということ。駒澤大の山野力選手も、中央大の湯浅仁選手もツーブロックマッシュ。

ポール そういう視点で見ると順天堂大の藤原優希選手も、國學院大の阪本健悟選手もマッシュルームカットでしたね。

西本 9区とマッシュルームカットはもしかして相性がいいんですかね? この辺りは来年も検証したいです。

ADVERTISEMENT

 そしてヒヤヒヤしたのが東洋大学のシード争いです。

ポール 往路では一時19位まで順位を下げたものの11位まで巻き返しました。ただ、8区で木本大地選手が区間賞を取ったものの、11位の状態が続いていましたよね。

9区、かつて東洋大の選手は「その1秒を削り出せ」を腕に大きく書いていた

西本 数年前までの東洋大は優勝はできなくても、3位以内は外さないイメージでした。でも近年は「かつて強かった古豪」のような雰囲気に。「その1秒をけずりだせ」というキャッチフレーズも、以前はかっこいい東洋大の象徴でしたが、形骸化しつつあった。でも復路を見ていて、今大会はあのキャッチフレーズを目にしていないことに気づいたのです。

 OBの柏原竜二さんとも東洋大は新たテーマを掲げるべきではないかと話していたのですが、東洋大学自身が「その1秒を削り出せ」を捨てて、一旦リセットをしようとしているのではないかと。東洋大のこれからの変化に注目したいですね。