130人、62%が着用したナイキですが、新たな流れが見られました。それは厚底のヴェイパーフライのようでヴェイパーフライでない、「ストリークフライ」の登場です。
「厚底だけが正義じゃない」の声
東洋大学1区の児玉悠輔選手と9区の梅崎蓮選手、早稲田大学5区の伊藤大志選手が履いた「ストリークフライ」は、5~10km向きのロードシューズで、「ヴェイパーフライ」よりも薄底で軽いのが特徴です。
東洋大OB・柏原竜二さんと青学大OB・神野大地さん、2人の“山の神”が「5区の山登りは厚底よりも薄底が向いている」と言っていますし、「厚底だけが正義じゃない」という選手がちらほら出始めている。「厚底離れ」を感じたのが、今年の傾向のひとつと言えるでしょう。
静かにですが「厚底一択」時代から、本当に自分に合うシューズとは?と向き合う選手が現れてきました。東洋大1区、9区を走った選手は同じナイキでも薄いソールの「ストリークフライ」を選んだのです。
一方で厚底人気の立役者である「ヴェイパーフライ」は、ここ数年、目を見張るような進化はしておらず、熟成期に入ったシューズであると考えていいでしょう。
ちなみに「ヴェイパーフライ」と「ストリークフライ」は見た目が似ているため、いつも着用シューズ一覧を作成するポールさんも今年は確証が持てませんでした。そこで今回は100mの草野誓也選手(ATC)にも協力をいただきました。彼は陸上が好きすぎるあまり、メーカーを問わず、あらゆるシューズを自ら試し、ジョギングだけでも3種類、試合ともなれば十種競技の選手よりも多いシューズを持ち込むところから「スパイクポリス」とも呼ばれています(笑)。日本選手権にも出場するクラスの選手なので、ぜひ覚えておいてください。
アディダスとアシックスが“面白い”理由
さて、昨年から第2党争いを繰り広げているのが、アディダスとアシックスです。
昨年の箱根駅伝と予選会はともに10%前後のシェア。そのため10%の壁は厚いかと思っていたのですが、今大会では15%以上のシェアを獲得しました。
2つのメーカーが面白いのは、セカンドチョイスできるモデルがラインアップされているということです。