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東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「静岡」には何がある?

「家康さんといえば静岡」ですが…

2023/01/09

genre : ライフ, , 歴史, 社会

 のっけから申し訳ない話だが、東海道新幹線を使うほとんどの人にとって、静岡駅は“いつの間にか通過する”だけの駅に過ぎない。

 いやいや、静岡だって70万人近い人口を抱える県庁所在地・静岡市のターミナルだし、お客の数はJR東海の駅の中では第5位にランクインしているではないですか……。そんなご指摘もごもっともなのだが、現実は厳しい。

 たとえば、帰省ラッシュがピークを迎えていた12月30日の午前10時台。東京駅からは1時間に16本の新幹線が西に向かって出発している。そのうち、実に12本までが静岡駅を通過する「のぞみ」だ。

 残る4本は「ひかり」と「こだま」が2本ずつで、「ひかり」のうち1本は静岡駅を通過する。つまり、東海道新幹線は1時間に3本だけしか静岡駅に停まらない。

東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「静岡」には何がある?

“最も通過列車の多い大都市”「静岡」だが、今年は…

 70万都市のターミナルもあっけなく通過してしまう東海道新幹線の胆力はおそるべしとも言えるが、とにかく静岡という駅は、ほとんどの新幹線がすっ飛ばしてゆく、“通過するターミナル”なのだ。逆に言えば、静岡駅はその駅前に広がる都市としての規模から見れば、“最も通過列車の多い大都市”といってもいいのかもしれない。

 ちなみに、筆者も新幹線に乗る機会は多いが、もちろんほとんどが「のぞみ」なので、静岡駅を通過している頃にはだいたい寝ている。たいていの「のぞみ」利用者が、似たようなものなのではないかと思うのである(ちなみに富士山が車窓からよく見えるのは静岡駅より手前、三島~新富士間である)。

今回の路線図。のぞみに乗っていると通過されてしまう「静岡」だが、70万都市のターミナルでもある

 さて、そんな不遇の静岡駅だが、今年はなにしろ大河ドラマの主人公が徳川家康さんだ。家康さんといえば、静岡だ。子どもの頃は駿府(いまの静岡)の今川館で人質として暮らし、大名として一人前になって武田氏を滅ぼすと駿府城を築き、天下統一後には秀忠に将軍職を譲って大御所として駿府城で暮らした。

 幼少期、壮年期、老年期と、大事な局面ではきまって静岡で暮らしたという、静岡とは実に縁の深い家康さん。きっと、静岡駅も盛り上がっていることでしょう……。

そんなわけで「静岡」にやってきた

「静岡」にやってきた。東京からの所要時間は約1時間。縁の深い家康さんが大河ドラマになった2023年、駅前の様子は…

 そんなわけで静岡駅にやってきた。東京駅からの「ひかり」は1時間に1本しか走っていないが、所要時間は約1時間。所要時間だけでいうならば、静岡は高尾あたりとほぼ一致する。静岡=高尾といっても差し支えないほど、案外に近い。

 もちろん静岡駅には東海道新幹線以外の鉄道路線も乗り入れている。在来線の東海道本線だ。こちらは1時間に5~6本程度で、実は横浜駅の東海道本線ともたいして変わらない。このあたり、さすがの70万都市の玄関口といったところだ。